「コロナで給与がゼロに」出版社に新卒内定した22歳女性の絶望
4月に入って状況が一変
一見順調なスタートを切ったように見えた市川さんだったが、4月に入って状況が一変した。
「アルバイトは月初めにその月の入れる日を提出して、その中から社員が出勤する日を決めるんですが、その連絡が来るのが前日とかだったんです。私は週5でフル出勤するつもりでシフトを提出していたのに、コロナの影響もあって入れる日はせいぜい週1~2回。これじゃ当然生活なんてできません」
歩合制でもらっていた仕事のほうも「取材に行けない」という理由でなくなり、結局4月の給与は4万円ほどだった。大学を卒業し、奨学金ももらえなくなった中での収入4万円。家賃さえ払えない額だ。
「『他のアルバイトと掛け持ちしようか』と考えたこともありましたが、仕事に入れるかどうか決まるのが前日なのでそれもできませんでした。最初から少なめにシフトを提出することもできたことにはできたのですが、『なるべく多く出勤しないと社員になれないんじゃないか』という焦りもあり、勤務可能日を減らせませんでした」
結局水商売で食いつなぐしかない
「不定期で仕事に呼ばれるのが一番つらかったですね。せめて数週間前に勤務する日を教えてくれていたら、空いた日に他のアルバイトもできたのに」
そう呟いた市川さんは結局、A社でのアルバイトが終わったあとでもできる水商売をしながら生活していたそう。
「ただでさえ先の見えない毎日なのに、会話が苦手な私にとって水商売の仕事はすごくつらかったです。夜中の2時まで働いて、終わったあとは歩いて帰っていました。次の日に朝から取材が入っていることもあって、疲れているし、眠いし、全然集中できませんでした」