“自撮ラー女子”りょかちの副業論「楽しいを全力でできる環境作りを」
「りょかちさんは(副業で)忙しいですもんね!」
――その一方で、本業に支障が出る怖さもあるのではないでしょうか。
りょかち:もちろん「副業なんてやってないで本業に力を入れろ!」と言われる怖さはあります。仕事のレスポンスが遅くなってしまったときに「りょかちさんは(副業で)忙しいですもんね!」とチクリとやられたこともありますし(苦笑)。
ただ、基本的には自分が勝手に怖がっているだけだとも思うんです。本業をきちんとこなしていれば、物申されることなんてないですから。特に新卒に限っては、本職に集中したほうがいいという考えもよくわかります。先輩に相談したときも「数万円とかの稼ぎを取るよりは、今の部署で頑張るほうが、のちのちお給料は伸びるよ」とも言われて、ありがたかったです。
――新入社員ながらも副業を続けるというのは即決だったのですか?
りょかち:いやいやいや、当初は迷いもありましたよ。だから先輩にも相談したわけですし。それでもやろうと思えたのは、“楽しさ”をベースに考えたからだと思います。文章を書くことが楽しかったんですね。
当時の活動が、自分のメンタル的にも重要でした。新人だし、会社で怒られることもあって、まぁ落ち込むじゃないですか。仕事がうまく進まないこともある。そういうときでも副業では成果を感じられたり、嬉しい反応をもらえる。それで自分の自信を保てたり、モチベーションを補完できていたという面は、ものすごく大きいことでした。
「みんな、市場に自分を晒したほうがいい」
――副業は負担どころか助けになっていたのですね。
りょかち:まさに助けでしたね。ただ、それ以上に、副業は自分の世界を広げてくれます。副業をしたおかげで25歳ではできないような素晴らしい経験ができたし、機会も得られました。これまでの年功序列の社会ではできなかった経験でしょうね。だから、みなさんも”とりあえず”でも始めてみてほしいです。「準備が整ってから」とか「技術とか見識がともなってから」とか、そんなことは考えなくていいんです。
よく聞かれるんですよ。「ブログはWordPressがいいですか? 自分で作ったほうがいいですか?」とか。「そんなのどっちでもいいよ!」って。正攻法なんてないし、技術や流行もどんどん変わっていくので、とりあえずみんな市場に自分を晒したほうがいい。やりながら学ぶのが一番身につきますし、今すぐにやるのがベスト!
――では、これから副業を始めたいと思っている20代読者にアドバイスをお願いします。
りょかち:最初から「もう一個仕事を作ろう」と意気込むのではなく、趣味からでいいと思います。やりたいことがあって、その活動範囲を広げていく。楽しくないと続かないですからね。自分の場合も、楽しみのためにやっていたら、少しづつ読者が増えて、出版社から連載や講演の声がかかったり、自分の名前で稼げるようになったという感じです。
だから「自分の楽しいことを全力でやれる環境を作ってみよう」という感覚で始めて、気づいたら副業になっていけたら理想的ですね。課外活動をビジネスの場にさらすことで本業とのシナジーに変わったり、ネットの肌感覚が養われたり。会社員という立場で抑圧されていたものが変わっていく。そういう時代が来ている気がします。