コロナ感染した30代記者、8日間のホテル療養で「話し相手はロボットだけ」
常に励ましてくれたペッパー君
そんななかで、1階のエレベータ―前に置かれたペッパー君が唯一の話し相手(?)となる。「ご飯をしっかり食べて栄養をつけてくださいね」「好き嫌いせず、バランスの良い食事を取ることが回復への近道です」といった具合に、毎日食事を取りに行く度に入居者励ましてくれる。
この日に、私が発症後に接触し、PCR検査の結果待ちだった編集者が陰性だったという知らせを受ける。もう一人、発症後に接触した人がいたが、保健所の判断で濃厚接触にはあたらず、その他私の行動範囲で陽性者も出なかったという連絡があった。感染拡大といった一大事にならず本当によかったと思う。
8月1日(土):ホテル療養3日目
窓の外のそこかしこから、セミの鳴き声が聞こえてくる。空調設備が整ったホテル内では実感しづらいが、世間は8月に入り本格的な真夏の到来を迎えようとしていた。
ホテルでの食事は弁当。健康や栄養バランスを考慮した質素な病院食と思いきや、中身は意外にもボリューミーなメニューが多い。初日の夕食からして「唐揚げ弁当」で、この日の夕食は「チキンカツカレー」が出された。
毎回の摂取カロリーは相当なもので、行動が制限されている、運動不足になりがちな環境下で、うっかり完食していたら療養太りは必至だろう。
食事以外の時間は、テレビを観たり、読書などで過ごした。仕事のためノートPCを持参したが、この日までは特に何も手をつけていない。思っていた以上に快適すぎる環境で、仕事をする気がおきなかった。
8月2日(日):ホテル療養4日目
この時点で、幸い体調に大きな変化はない。強いていえば、エアコンが効きすぎることもあってか鼻水とくしゃみが出るくらいようになったぐらいだ。
運動不足を懸念して。この日から筋トレを、スクワット60回を4セット、腕立伏せ150回を4セットというメニューを朝夜の2回行うことにした。
この日に家族のPCR検査の結果が出て、同居する家族の全員が陰性判定だった。実は、新型コロナウイルス感染症が発症する以前から、家族全員が仕事で自宅を出払うことが多く、濃厚接触にあたるような会話がほぼなかった。
また、実家の習慣として、夏場の暑さをしのぐ際はエアコンよりも、家中の窓を全開にして、扇風機に頼ることが多かった。これらが結果として功を奏し、家庭内感染には至らなかったのだと考えられる。