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パチンコ業界は「転職に不利」は本当か?経験者に聞いてみた

学び

離職率がずば抜けて高いのは本当か

辞表

 2人ともパチンコホールには正社員として勤務。待遇が悪くないにもかかわらず退職したのは、先細りする業界の将来性に不安を感じたことが大きかったとか

 また、出世の早い業界で30歳前後で店長・副店長への昇進もあり、若くして会社内での自分のポジションがわかるため、その結果に応じて転職を考える人も多いみたいです。

 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成28年3月卒業者の状況)」によると、パチンコホールを含む「生活関連サービス業・娯楽業」の入社3年以内の離職率は、大卒者で46.6%。高卒者で58.0%でどちらもワースト2位。

 取材に応じてくれた彼らの在職期間が3年以上であることを考えると、20代のうちにパチンコ業界を離職する若者の数は、この統計よりも高いと見て間違いないようです。

 しかし、転職に不利なのは本当に業界イメージによるものだけなのでしょうか?

職歴として弱い、先見性がないとの印象も

正社員といってもホール勤務の場合、マニュアルに従った接客業務ですよね。マネジメント能力や売り上げなどの成果が要求される店長や副店長なら別ですが、給料も高いみたいですし、転職する人はそう多くない。でも、かといってヒラ店員や主任あたりだと職歴としてはちょっと弱い。ほか応募者の経歴と比較したとき、『この人を残そう』とは判断しにくいんです」

 そう本音を漏らすのは、大手機械メーカーの採用部門担当者。「決して職業差別をしているわけでない」と強調しますが、採用に至るケースは少ないとも。

「パチンコホールだけに限ったことではないんです。接客業の場合、アルバイトやパートなど非正規雇用のスタッフも多く、その大半は高度な知識や専門知識が要求される仕事ではありません。

 異業種であること自体は問題ないですが、それにしても業務内容があまりに違いすぎる。中途採用ですから求めているのは即戦力となる人材。デスクワークの経験もないような方だと雇う側にとってもリスクが大きいんです。それを覆すほどの何かを持っていないと採用は難しいと思います」

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