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モラハラ父親の会社に就職した20代職人の「学歴コンプレックス」

学び

親の会社に就職する難しさとは?

絶望

「『お前のやりたいことなんて、オレの仕事が片付いてからやればいいだろ』と。今まではなんとか我慢してきましたが、私の将来を踏みにじるような言葉には耐えられませんでした」

 しかし、そこで父親に怒りをぶつけることはなかった。

「もう人生が台無しになっていたので、その言葉に怒るどころか心が折れてしまいました。立ち向かう気力もなくなってしまったんです。私が親父を本当に思っているなら、明らかに間違っているときは歯向かうべきなのかもしれません。それこそが優しさなんだと頭ではわかっていても、どうしても割り切れませんでした……」

 やり場のない絶望を抱えた山口さんの様子を見て「親の会社に就職する難しさ」を感じざるを得なかった。もちろんすべてのケースがそうなるわけではないが、そこにあったのは、経営者の家に生まれたことで、人生を破壊された人間の姿だったからだ。

<取材・文・撮影/齊藤颯人>

上智大学出身の新卒フリーライター・サイト運営者。専攻の歴史系記事を中心に、スポーツ・旅・若手フリーランス論などの分野で執筆中。Twitter:@tojin_0115

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