ダメダメ社会人が「累計1000万部」ベストセラー編集者になれた理由
どんな本にも学びがあると思ったほうが良い
――そのなかでも特に影響を受けた本はありますか?
柿内:「この一冊が〜」とかではなくて、量を読んだのがよかったと思います。集合体から学んだと思っていて、人の話も「この人との出会いが僕の人生を決めた」というよりは、たくさんの人から話を伺い、良いところを参考にさせてもらっていった結果だと思っています。
よく「運命の一冊」とか言いますよね。実際にそんな出合いがあれば幸せなことですが、それを求めちゃうと、「俺にはその一冊が来ない、来ない……」となってしまうかもしれない。どんな本にも学びがあると思ったほうが、いいんじゃないかなと思います。
――ビジネス書は、読んだことに満足して終わってしまう人が割といるように思います。そうならないためには、どうしたらいいでしょうか?
柿内:ダイエット本も読んだだけじゃ意味ないですよね。実用書は、実践してもらわないともったいない。中身をインプットするだけでなく、自分の課題を思い浮かべながら、実際に自分ゴトとして何か当てはまることがないか、そういう意識を持って読んでいくと、本の内容を自分のものにできるんじゃないかと思います。
例えば、営業の成績が悪いなと悩んでいるなら、どうやったら営業の成績あげられるかを念頭において読めば、情報が自分ゴトになってどんどん向かってくると思います。
感情に左右されるとうまくいかない
――著書では、「考える技術」を「考える=考えを広げる+考えを深める」と解説し、具体的な12の方法を紹介しています。柿内さんは、考えが思いつかなくて悩むこともほぼないのでしょうか?
柿内:考えが思いつかないで悩むことはもちろんあります。そうなるときは、原因がはっきりしていて、感情が先にあるケースがほとんどです。感情に引っ張られて悩んだり、不安になったりすることはあります。
そういうときは、本にも紹介した「思考ノート」を使います。とにかく思っていることをノートに書き出して、感情に左右されないように、ノートに一度感情も手放してみて、それを俯瞰して見るようにしています。
ノートに書いたからすべて解決できるわけではないですが、たとえ解決できてなかったとしても、その日の感情を整理してその日を終わらせ、できるだけすっきりして眠りにつくためにも意味があると思います。「ふざけんな」とか、そういう感情も正直にノートに吐き出してるので、僕のノートは細かく見るとデスノートみたいです(笑)。