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「僕が7900万円をクラファンで調達できたワケ」無名のミュージシャン社長に聞く

ビジネス

クラウドファンディングの会社に一度は断られた

――それは意外でした、他にも理由はあるんですか?

ゆーいち:それよりもっと大きな理由は、クラウドファンディング会社からプロジェクトを断られたことですね。

――こんなに大成功したプロジェクトが、どうしてクラウドファンディング会社から断られたんですか?

ゆーいち:その理由は「目標金額5000万円」だったからです。4〜5年前に多くのスタートアップ企業が失敗したように、お金が集まっても製品を作れないという事態にならないよう量産へのプロセスをしっかり計画したところ、製品化には最低でもあと5000万円は必要だということが分かっていました。

 しかし、クラウドファンディングの会社には「目標金額はせめて1000万円以下にしてください」と言われました。それには2つの理由があると私は考えています。

1:目標金額が高すぎるとユーザーは支援を躊躇する。
2:目標達成できなかったら運営会社の収入はゼロになる。

設定目標金額が低いクラファンが多いワケ

クラファン

開発チームにはハードウェアの専門家が集結し、安心できる製品づくりの準備をしている

――たしかに、All-or-Nothing方式は、目標を達成しないと支援金を受け取れないというだけでなく運営会社の利益もないんですね。

ゆーいち:そうなんです。つまり、製造に必要な資金はクラウドファンディング以外で調達しろと言われているように感じましたね。

 実際に大手のクラウドファンディングを見ると、目標金額がとても低く設定されているものが多いことに気づきます。電子機器でも目標金額が100万円以下の場合もあります。そんな資金では製品をゼロから開発できません。

 これらの多くは、発売がすでに決まっている製品や、輸入商社が見つけてきた海外の製品だそうです。インスタコードのように、製造資金を集めるためのクラウドファンディングをバカ正直に実施するケースは、日本では極めて稀な存在なのです。

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