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「大声出さないで!」リモート中の隣人トラブルが“奇妙な友情”を生んだ理由

学び

ベランダに出た隣人に注意してみるも…

ベランダ タバコ

 全ては隣人の怒鳴り声のせい。普段は物静かで温厚な杉浦さんでしたが、ついに怒りが爆発します。

「隣人が怒鳴り散らした後にタバコを吸いにベランダに出たので、自分もベランダに出ました。そして、おもむろに隣を覗き込んで『こっちも仕事してるんだから大声を出さないでくれ!』と注意しました。隣人は驚いた様子でしたが、すぐに怖い顔になり、『うるせえ!』と。迷惑をかけておいてその態度はなんだと思って、頭にきましたよ」

 それでも「注意したのだから、これでおさまるだろう」と思っていた杉浦さんでしたが……。

「その日と翌日ぐらいまでは静かだったんです。でも、すぐにあの神経を逆撫でするような声を聞くことになりました。本当にがっかりしましたし、また怒りが湧いてきましたが、今度は丁寧に対応してみることにしました。怒りに任せて注意しても効果がなかったのと、逆ギレされて危害を加えられるのが怖かったんです

隣人から返ってきた意外な反応

 隣人がいつものように喫煙のためベランダに出たところで、杉浦さんは穏やかな口調で声をかけました。

「まずは前回のお詫びから入ることにしました。『前回は怒ってしまってすみませんでした。でもこちらも仕事があって、怒鳴り声を聞くたびに支障が出ているので、もう少し声を抑えてもらえませんか』と伝えました。すると隣人から返ってきたのは意外な反応で……」

 隣人は丁重に謝り、なぜ怒鳴っているかをイチから説明し始めたそうです。その理由は、杉浦さんが考えていたものとは全く違いました。

「彼の部下に新人の女性がいるらしいんですが、上司である課長からセクハラを受けていると相談されたそうなんです。その女性が人事に通報したところ、『法令には違反してない』と言われたらしく、頭にきて戦っているとのことでした。

 隣人はまずは人事の担当者を怒鳴りつけますが、埒(らち)が明かないと見るや、人事部長も怒鳴りつけたそうです。それでも言い分を変えないので、直接上司にセクハラの件を追求したのですが、逆ギレした上司と怒鳴り合う状態になっているとのことでした」

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