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日本初の「事故物件マッチング」スタッフに聞く、孤独死現場のリアル

暮らし

特殊清掃の新事業でさらなるシナジーを

成仏不動産

特殊清掃スタッフが汚物除去、清掃、消臭などを行った(写真提供:NIKKEI MARKS)

――今月から特殊清掃事業もスタートするようですね。

金:そうですね。孤独死や自殺など、人の死に関わる事故物件とそれを清掃する「特殊清掃」は、私たちの事業と切っては切れない関係です。

 これまでも孤独 死された物件などのオーナーさんなどからご要望があれば、提携する特殊清掃の業者におつなぎしてきました。が、今回、孤独死のリスクが高い高齢者のマッチングを促進するにあたり、自社サービスとして特殊清掃も手掛けることで、さらにシナジーが生まれると判断して立ち上げました。

――実際の収益はどのくらい見込まれているのですか?

金:サブリース契約の価格は月額3980円とかなり低く設定しています。そのため、正直利益はほとんど出ていません(笑)。ただ、私たちは今回のサービスだけで収益を上げるのではなく、特殊清掃事業なども含め、事故物件をめぐるビジネス基盤を構築することを目指しています。

 需要は見込んでいて、実際、フィリピンなどのアジア諸国が日本に自国の労働者を送る取り組みが活発になっています。幸い、成仏不動産を通したお客様のほとんどは「事故物件でもOK」な方々。現在、成仏不動産から成約されるお客様の多くは、日本人の若者が中心なので、今後は住宅確保要配慮者の割合も増やしていきたいです。

<取材・文・撮影/藤冨啓之>

WEBコンテンツ制作会社「もっとグッド」代表取締役。ライター集団「ライティングパートナーズ」の主宰も務める。オウンドメディアのコンサルティングのほか、ビジネス・社会分野のライターとしても活動

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