女性向けのキャリア情報を発信「パラナビ」編集長が語る、“実践的”副業論
3度目のビジコン挑戦。その結果は?
――2年連続、あと少しのところで落選してしまうのはかなりやりきれないですね……。
岡部:仕事終わりの平日の夜に集まって計画書を作ったりプレゼンの準備をしていたのも結構大変で。「本業でもないのになんでこんなことをしているんだろう」と目的を見失いそうになっていました。
最終審査で負けた後に、メンバーと昼食を食べていて、私以外の2人が親子丼のごはんつぶを飛ばし合うほどのケンカを始めてしまったんです。今となれば笑いごとなのですが、それくらい激論を交わして取り組んだ案がダメだったんだから、一度は「3年目はもうやめよう」という話にもなりました。
ただ、最後に本音で「実は本当はこういうことをやってみたかった」という話をしたらメンバーも「同じことを思っていた」と言ってくれて。話し合いを重ねた結果、再びビジネスコンテストに挑戦することになりました。そのとき話していて、実際に応募した事業が「Paranavi」です。
――泣きの3回目! 結果はどうでしたか?
岡部:まずは、もう絶対に失敗できないという気持ちで挑みました。今まで以上に事業計画書に時間をかけ、プレゼンの練習も何度もしました。メンバーの一人にトレンダーズの社員がいるのですが、ありがたいことにトレンダーズの当時の副社長(黒川涼子、現・社長)も私たちの挑戦を応援してくださって。副社長にお時間をいただき、実際に目の前で模擬プレゼンをしてフィードバックをもらいに行ったりもしました。
その結果、優勝することができました。主催者も審査員も3年間見守ってくれていた方々ばかりだったので、なんとも言えない感動に包まれましたね(笑)。3年間で成長したところも評価してくれました。
そして実際に「Paranavi」は2019年からトレンダーズと共同で事業化しており、業務委託として運営に携わっています。
副収入は200万円を3人で山分け
――出版社で働きながら副業でメディアを運営するのはかなり大変そうです。
岡部:個人的にはそうでもないかもしれません。1社目の出版社でのキャリアが女性誌の編集者ということもあり超激務で。その環境に5年間いたので、たくさん働かないとちょっと物足りないくらいなんです。
それに、副業では収益化よりも社会的意義を大事にしています。「好きなことで世の中をよくしたい」というモチベーションで働いているので、平日の早朝や夜、土日を副業に捧げても苦には思いません。
――社会的な意義を尊重しているとのことですが、実際の副収入はいくらくらいなのでしょうか?
岡部:優勝賞金の200万円を3人で割ったので、実質、それが副収入になっていますね。「Paranavi」に関しては、ゆくゆくはアフィリエイトや広告出稿などでマネタイズできたら収入も上がると思っています。しかし、当分はそこをあまり意識せず、価値のあるコンテンツを提供することに注力していく予定です。