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「あわや職場クラスターか」出社禁止令を無視した課長に向けられた厳しい目

学び

部長に指摘されてしどろもどろに

出社する上司

 ところが、ある日突然、課長が無断出社していることがバレてしまいます。

「本社の営業部長がウチの営業所のオンライン会議にいきなり途中参加してきたんです。それで課長に向かって『君だけどうして会社にいるんだ』って。このときの課長、誰が見てもテンパってるのがバレバレで、笑いそうになるのを必死にこらえてました。『そ、そ、それは……』と言いかけたまま沈黙。

 しばらくの間があって、ようやく出てきたのは『どうしても会社に来ないと処理できない業務がありまして……』との言い訳。ここでオンライン会議は中断となり、そこからの具体的なやりとりはわかりませんが会議再開後の課長は憔悴しきっていたので、部長にこってり絞られたんだと思います」

 直属の上司がさらに上の人間から怒られるという光景を目にして、「見ちゃいけないものを見たような気がして、課長に対してものすごく気まずかった」と鈴木さん。

 課長はそんな空気を察したのか、オンライン会議から部長が退出した後、「恥ずかしいところを見せて申し訳ない」と無断出社していたことを謝罪。自宅だと仕事に集中できないため、会社に来ていたと説明したそうです。

出社禁止を破っても罰則なし

「想像していた通りの理由でした。課長のところは、9歳の一番上の子を含む幼い子供が4人もいるので、仕事どころじゃないのでしょう。ウチは1人でも大変ですから。ただ、自主的な出社が認められているならともかく、出社禁止と言われている以上、守らなきゃいけません。ましてや部署を束ねる立場にあるわけですから」

 ちなみに出社禁止を破った課長に対するペナルティは特になし。鈴木さんは、この会社の姿勢にも疑問を感じるといいます。

「課長が憎くて言っているわけじゃないですが、そもそもコロナの感染予防策としての出社禁止だったわけです。破ってもお咎めなしじゃ今後再び出社禁止になっても平気で破る人が出てきそうで。会社としての“コロナリテラシー”が低いと社員の意識も低くなりますし、それこそ職場クラスターが起きかねない。そこはちゃんとしてほしいなって思いますけどね」

 コロナ禍で社員に出社禁止を指示した会社は多く、第二波が襲来した際に同様の措置を取る会社はさらに増えるでしょう。そうした中で無断出社の懲戒対象の新たなルールとなるのかもしれませんね。

特集 やらかしリモート事件簿

<取材・文/トシタカマサ イラスト/田山佳澄>

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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