コロナで“パチンコ断ち”に成功した20代会社員。思わぬメリットも
「打ちたい」と思わなくなった
「最初は久しぶりにちょっと打とうと思ったんです。店内はソーシャルディスタンスを保つために1台おきに台の電源を切っていたり、席を立つとすぐ店員さんがアルコール消毒をしていて、そうした対応には好感が持てました。それでも感染リスクとかそういう話ではなく、店の中に入っても打ちたいっていうテンションにならなくて。だったらこのまま打つのをやめようと考えるようになったんです」
自分の意志でパチンコから足を洗おうとしたわけではなく、「コロナの影響で自然とそうなっただけ」と東山さん。ですが、ここ数年は惰性で打っていた部分もあったらしく、やめるためのいいきっかけにはなったようです。
「それはあると思います。年間トータルだと30万~50万円は負けていたので。毎月、自分の中でここまでと上限を決めて打っていましたが、年単位で考えるとヤバすぎる(苦笑)。やめて4か月以上が過ぎましたけど、手元に残るお金が明らかに増えています。
コロナによる減収が響いて夏のボーナスは減らされ、冬以降もしばらく期待できそうにありません。だから、このタイミングで金のかかる趣味をやめることができたのは、すごくラッキーだったと思います」
新しい趣味は博打要素ゼロ
でも、出費は多くても時間潰しにはなっていたはず。急にやめてしまうと、休日はヒマを持て余してしまうのではないでしょうか?
「実は、そうなんですよ。STAY HOME期間中は非常時ですからYouTubeを見たり、ゲームをして過ごしていましたが、さすが普段の週末そればっかりというのは健全な感じがしませんしね。
ただ、昔から歴史や古い建物なんかが好きなので、まだ始めたばかりですが寺社仏閣巡りとかしています。調べてみると、今住んでいる街にも神社やお寺が多いんです。本当は彼女もいないから婚活のほうを優先してしなきゃいけないのかもしれませんけどね(笑)」
パチンコを趣味として楽しむ人も多く、否定するつもりはないですがお金がかかる遊びなのは事実。将来のことを考えれば、やめるという判断は間違っていなかったのかもしれませんね。
― 特集 コロナ時代の若者たちの変化 ―
<取材・文/トシタカマサ イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>