「今の格差はエグい状態」森永卓郎の息子が語る、若者のキャリア設計
複数言語をマスター
――語学はどう習得しましたか?
森永:最初は英語もできなかったので、とりあえず熱意だけで海外案件を取りに行きました。もちろん最初は何言ってるか全く聞き取れないんですけど、結局言葉って慣れなんですよね。アメリカに行けば子どももホームレスも英語をしゃべっているので、学力とか経済力は関係ない。
英語がある程度できるようになると、仕事の幅が広がります。海外とのミーティングに出るにしても「すいません、通訳が要ります」だと、「何だよ、聞き取れないのかよ」となって「じゃあ、おまえは要らない」となってしまいますから。
僕はインドネシアに駐在してたんですけど、インドネシア語がわかるようになると、マレー語もわかるようになるんです。言葉が似ているので。その後マレーシアで会社を作ったんですけど、マレー語がわかる日本人なんていないから、役に立つ場面が多かったです。ちなみに台湾でも仕事をしてたので、中国語で台湾の資格試験をパスするぐらいの語学力はあります。マレーシアの公用語4か国語のうち、英語、中国語、マレー語の3言語がわかるのは、現地のコミュニティでめっちゃ有利なんです。「日本人なんて英語もできないやつだ」と思われてるから。
100円でも少額投資で訓練をするべき
森永:これは僕が20代に自己投資をして語学を身に着けたことで得た結果ですけど、何も「英語ができるようになれ」という話じゃなくて、それがプログラミングでもデザインでも、なんでもいいんですけど、何か強みを持つことがすごく重要だと。半端な額を投資に突っ込むくらいなら、それを英語やプログラミングを勉強する費用に回すほうが稼ぐことにつながります。
投資はタネ銭がないと意味がないので「100円から少額で投資できます」というのもあくまで経験を買うという意味合いです。何かの幸運で自分の仕事がすごく上手く行った。自分の適性が時代とマッチして、ものすごく給料が上がった、親の遺産が入ってきた。人生で何かのキッカケでまとまった金が入ってきた時に、投資経験がまったくないと、例えば仮想通貨に全額投資してゼロにするとかやりかねない。
事前に投資がどんなものかを知るために、100円や500円からの少額投資をするのは訓練として意味があって、メンタルコントロールが身につけられます。投資本ではテクニカルなことや、知識を詳しく紹介しますが、結局メンタルなんですよね。
⇛インタビュー後編<「二番底は当分こない」森永卓郎の息子がAIで読み解く、コロナ後の経済>に続く
<取材・文/栗林 篤 写真/林 紘輝>
【森永康平】
株式会社マネネCEO/経済アナリスト。証券会社や運用会社にてアナリスト、ストラテジストとして日本の中小型株式や新興国経済のリサーチ業務に従事。業務範囲は海外に広がり、インドネシア、台湾などアジア各国にて新規事業の立ち上げや法人設立を経験し、事業責任者やCEOを歴任。現在は複数のベンチャー企業のCOOやCFOも兼任している。新著『MMTが日本を救う』(宝島社新書)が好評発売中