「月給20万が突然8万に…」コロナ下で多い労働相談と、その対抗策
違和感を覚えたら…まずすべきこと
――もし今の時期に、うっかりブラック企業に入社したり、自分の会社がブラック企業だと分かったりしたときには、どうしたらいいでしょう。いきなりユニオンに加入するのはハードルが高い気もします。
青木:まず入社後に、少しでも違和感を覚えたら、就業日記をつけましょう。仕事は何時から何時までと時間を記し、休憩時間も書き込んでください。仕事の内容や、ハラスメントがあった場合は、メモをとってください。
そして録音の準備をしましょう。ハラスメントがある場合、すぐにスマホをオンにして、録音しましょう。一番気を付けなければならないことは、会社から書類のサインを求められたら、その場でサインをしないことです。
「ここでサインをしてください」と言われた場合は「少し時間をください」と言って、ユニオンに問い合わせるか、専門家に相談するなどの対処法をとってください。というのは、その書類が退職届かもしれないからです。
ほかに、賃金期間に関する書類の可能性もありますから、その場で急がせてサインをさせる企業は「おかしい」という感覚を持ってください。
今の時期に転職するのは危険
――ブラック企業と分かったときに、一人で対処するのは大変です。どうしたらいいでしょう。
青木:企業が不正を働いたときに、一人で戦おうとしても無理でしょう。スタッフ同士の互いに助け合う精神が大切ですが、それには日頃のコミュニケーションを培うことですね。
――では最後にこの時期に職探しのポイントを教えてください。
青木:今の時期に転職すると、ブラック企業にあたる確率が高いと思います。それよりもコロナが収束して、経済が安定するまで、失業保険をもらいながら、職業訓練校に通い、スキルを習得したほうがいいですね。
公共の職業安定所長の指示により、公共職業訓練を受講するほうが最長2年間の訓練では、訓練終了まで給付日数を延長するという訓練延長給付金もあります。