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月収1000万だった民泊経営者の嘆き「コロナで1億円の損失です」

ビジネス

 新型コロナウイルスでパラダイムシフトが起きている。株価の暴落で新興裕福層の中には資産の大半を失う人がいる一方、生活に困っていた層の中には富を掴んだ人も。この災厄で新しい階層と価値観は生まれるのか?

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※画像はイメージです(以下同じ)

五輪インバウンドを見込んだ民泊経営者の涙

 一般住宅を旅行者などに貸し出す「民泊ビジネス」は、新型コロナウイルスの影響で「焼け野原状態」だという。

「3月末に中韓からの入国禁止、さらにその2週間後には欧米からの入国規制があり、私が運営する民泊の利用者はほぼゼロになりました。ここ数年は訪日外国人客が増加し続けており好調だっただけに、ショックが大きい。利用者数は例年と比較して3月で4割減、4月には9割減と壊滅的です

 そう肩を落とすのは、最盛期には50室の民泊運営で月収最大1000万円を売り上げていた“民泊のスペシャリスト”川畑重盛氏だ。

[コロナ格差]下剋上

川畑重盛氏

「五輪を見越して民泊業を始めたという人も少なくないほど、業界として五輪特需への期待は大きかった。外国人向けの大きな部屋を用意したり、Wi-Fiなどの設備を整えたりと準備を重ねてきたのに、それがすべて無駄に……」

 蒔いた種に実がなり、収穫しようとした矢先のコロナショック。特に五輪では通常の10倍の集客を当て込んでいたため、コロナによる損失は、当初想定していた利益と比較すると約1億円にも上るという

国内利用者と短長期利用者のバランスを

「民泊事業者の大半は、借りた部屋で運営しています。例えば毎月20万円で借りている部屋が10あったとして、利用者がゼロだったらそれだけで単純に月200万円の損失となります。

『これ以上、火傷しないうちに』と早めに損切りするか、国の補助金や融資を片っ端から申請してなんとか事業を維持しようとするかの2択に立たされているんです。私も家賃支払いを待ってもらえるよう交渉したり、あらゆる給付金を申請したりと踏ん張っている状況です」

 これまで中国人が利用者の4割以上を占めていたという川畑氏の民泊。しかし訪日外国人の利用が期待できない以上、今後は国内観光客を取り込みたいと考えている。

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