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家庭で手軽にパン作りを。「オンライン講座」運営者に聞く、上達のコツ

ビジネス

 新型コロナウイルス感染防止のための「StayHome」。普段と比べて、家で過ごす時間は増えているのではないだろうか。そんな中、こんな時期だからこそ時間を有効活用し、資格取得やスキルアップのために、時間とお金を投資する機運が高まっている。

株式会社cotta

株式会社cottaの黒須代表取締役

 製菓・製パン用の材料・レシピなど約3万点を取り扱う日本最大級のECサイト「cotta」。同サイトで、パン・スイーツ作りの認定資格をオンラインで取得できる「cotta license」も受講者が増えるなど注目を集めている。

「うまく膨らまない?」「生地がパサつく」など難しいパン作り・お菓子作りをオンラインでマスターするコツは何か。「cotta license」立ち上げた背景や事業の展望について、運営会社である株式会社cottaの黒須綾希子代表取締役に話を伺った。

コンビニスイーツ台頭を受けて参入

株式会社cotta

※画像は「cotta」より(以下同)

 株式会社cotta(旧社名タイセイ)は、製菓食材及び食品包装資材の卸売り販売を主軸に事業を展開してきた。全国の和洋菓子・パン製造の販売店が主な販路として、BtoBビジネスを手がけてきた同社にとって、なぜBtoC領域に参入したのだろうか。

 創業者である父・佐藤成一氏から、2代目社長として引き継いだ黒須氏は「コンビニスイーツの流行が、ターニングポイントだった」と説明する。

「2007年ごろからコンビニスイーツが流行り出したことで、小規模で営む菓子屋やパン屋の需要が減ってしまい、お店を閉じるケースが目立ちました。特に田舎では『コンビニが1つできると地元のケーキ屋が1軒潰れる』と言われたほどです。

 このような状況だったので、新しく事業拡大をする必要があった。そこで、注目したのがBtoC事業です。お菓子作りを趣味とする消費者やカフェなどの事業者をターゲットにしたネット通販サイト『cotta』を始め、ECでの物販に注力するようになりました」

 今では、製菓・製パン業界最大のECプラットフォームとして成長を遂げ、同社の主力事業となっている。製菓・製パン用の食材や資材のほか、有名パティシエやインスタグラマーを起用したレシピや動画などのコンテンツを提供している。

オンライン資格事業を始めた理由

株式会社cotta

「cotta license」は、パン・スイーツ作りのオンライン資格として2016年に立ち上げた。オンライン講座を開設した理由は「情報をスピーディに、フェアに広げるにはWebの活用が不可欠」と思っていたからだという。

「お菓子やパン作りを極めたい場合、プロのシェフや実力のある先生たちから習うのが最も合理的ですが、彼らは多忙なため、消費者にレッスン出来る機会は多くありません。ですから実技講習会に生徒が殺到するのをよく見てきました。また、せっかく講習会を開催しても、イベントスペースのキャパによって参加できる人数が限られてしまい、技術も参加した人にしか教えることができません。彼らが持っているスキルを『もっと手軽に、家庭に届けることができればいいのに』という背景から、資格事業をスタートしました」

 今でこそ、巣篭もり需要によって受講者数が増えているが、立ち上げ当初はリアルに勝てるマーケットではなかった。

「サービスのポイントは、チャットによるマンツーマン添削がある点。一方的なコミュニケーションではどうしても理解が深まらなかったり、惰性で進まなかったりしますが、シェフや先生が隣でチェックしてくれるような感覚で、進めることができます」

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