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衣食住がすべてタダ。渋谷の「0円研究家」不思議な生き方

暮らし

部屋をフル活用して食費まで0円に

 自宅を活用することで、家賃のみならず食費まで0円にしているのが、まー坊さんのすごいところです。

 スペース貸しの予約がない日は、SNSフォロワーの訪問を積極的に受け入れており、その際、“入場料”がわりに食べ物の差し入れをお願いしています。この日も取材中に来訪者があり、お菓子とジュースをゲットしていました。

0円ハウス

フォロワーからの差し入れをゲットするまー坊さん。「このフォロワーとは、昨日初対面を果たしたばかり」とも

 取材終了時には、来訪者は3人に増えており、渋谷という立地の良さも手伝って、居心地の良いたまり場になっている様子です。人が集まる空間を創った結果、一人では消費しきれないくらいの食料が自然とストックされています。

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収納に乾麺をストックしていると説明するまー坊さん

 ちなみに衣服に関して聞いてみると、

「昔買った服を数年単位で着ています。モノクロでシルエットが無難なものを選んでいるので、流行り廃りの影響を受けず着られます。あとは不用品回収事業を学生時代に立ち上げたことがあり、そこで引き取った服から気に入ったものを残してあります」

 生きていくのに必要な「衣食住」をほぼタダで賄っています。これぞ0円生活の真骨頂といえるでしょう。

見知らぬスポンサーから10万円以上の仮想通貨

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押し入れに無造作に置いてあった、アイスクリームのギフト券。これもフォロワーからの差し入れだ

 今春、青山学院大学を卒業したまー坊さんは、在学中2年間のインターンを経験しています。現場では他のインターン生と比べて劣等感を感じたり、時には社員から数字で詰められたりと、思うところも多かったと振り返ります。

 その結果、卒業後は就職せず現在のようなライフスタイルに至ったといいます。そんなまー坊さんに、お金に縛られない生き方の秘訣を聞いてみると、

「お金から自由になるには、自分で稼ぐか、金を使わないかのどちらか。もっと言うと、その両方を同時にやったほうがいい」

 稼ぐ&節約の両輪を回すべしとアドバイスします。とくに節約は誰でも一定の成果が出るのでおすすめだとしています。

 まー坊さんは稼ぐ手段として、自宅のスペース貸し以外に、自分のスキルや特技を販売できる「タイムチケット」への出品や情報発信、さらには自分のスポンサー獲得を行っています。

「スポンサーはオークション形式で募りました。特典として、私のツイッタープロフィール欄に名前が出ること、“初代スポンサー”を名乗れること、あとは好きなタイミングで私のツイッターフォロワーにPR投稿ができます」

 獲得したスポンサー(個人)からは、1300リップル、時価にして10万円を超える仮想通貨が提供されたというから驚きです。スポンサーの出資意図をたずねてみると

「実はよくわかってません。何やってる人なのかも知らないので、何かをPRをしたい狙いがあるのかも不明です」と回答。見ず知らずの他人からポンと10万円の支援を得られるとか、新しい時代の胎動を感じさせます。

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