衣食住がすべてタダ。渋谷の「0円研究家」不思議な生き方
我々の生活費において大きなウエイトを占める家賃。もしこれを0円にできたら、家計が劇的に楽になるのは想像に難くありません。そんな夢の家賃0円生活を実践しているというのが、「0円研究家」を名乗るまー坊(@ma_bo_0jpy)さんです。
彼の住まいは田舎の限界集落ではなく、都心・渋谷だというのだから家賃0円もにわかに信じがたい話です。その生活ぶりをうかがうべく、渋谷にある0円ハウスを訪ねました。
0円のからくりはシェアリングエコノミー
「渋谷で家賃0円」と聞いて、極端にボロい物件なのか、あるいは知り合いの家にでも転がり込んで押し入れで生活してるのかと思いきやそのどちらでもありませんでした。
渋谷駅徒歩圏、大通りに面した好立地に立つ、間取り2LDKの賃貸物件にこの春から住んでいるまー坊さんは、家賃0円のからくりをこう明かします。
「スペースマッチングサイトにこの部屋を登録していて、日中はレンタルスペースとして貸し出しています」
フリーランスとして活動するまー坊さんは、予約が入れば日中は外出して、利用者が退出した頃を見計らって自室に戻ってくるという生活を送っているのです。この運用で賃料を上回る収入を得ており、「家賃0円」が実現しています。
「2日に1回、4時間程度の予約が入れば家賃はペイできます」
自宅のアイドリングタイムに目をつけて、シェアリングエコノミーの恩恵を享受しているわけですが、他人に自宅を貸すとなると気になる点も出てきます。
ズバリ、盗難・トラブルの心配は?
「自宅を他人に貸す」。言うは簡単ですが実践するとなると、私物や家財の盗難リスクがあるのでは? この疑問に対してまー坊さんは、
「極端な話、『持ってかれてもいいや』と思ってます。置いてある家具家電は、事務所の備品みたいな感覚で、自分が所有している感じがあまりないんです。一応、室内に防犯カメラを設置して対策はしてますが、盗まれてもまた買えばいいと思ってます」
私物の類は押入れにしまい込んで、比較的性善説に立った運用をしています。今のところ利用者にひどい使われ方をされた、というトラブルもないとのことで利用者モラルは、評価経済によりある程度担保されているのかもしれません。
所有物が少ないからこそ出来る生活
ミニマリストとまでは行かないまでも、マー坊さんの所有物はかなりシンプルです。スマホ、ノートPC、財布といった身の回りの品一式は、リュックに入れて常に持ち歩けるレベル。そのためこの生活に不便を感じないそうです。
「正直、物欲は1ミリもないです。今あるもので不足はないですね」とモノへの執着はあまりないといいます。
まー坊さんの所有物のなかで高額な、PC・スマホの買い換えについて聞いてみると、「それはハードを買うというより、新しい体験を買ってる感じです」と語り、モノ消費ではなくコト消費のように捉えてたのが印象的でした。