新型コロナで、海外の日本人留学生も生活苦。「アベノマスクは現地でも話題です」
新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。全国を対象とする緊急事態宣言は、5月31日まで延長されることが決定した。
先行き不透明ななか、日本に住む多くの人たちが不安な日々を強いられている。その気持ちは海外に住む日本人でも変わらない。ワーキングホリデー制度を利用し、2020年2月頭からカナダのオンタリオ州トロントに留学中の山村榮一郎さん(仮名・30歳)に、チャットツールを使って話を聞いた。
カナダでは3700人超がコロナ死
カナダ国内では5月5日までに新型コロナウイルスに約6万人が感染し、3766人が死亡している(WHOの統計)。山村さんが住むオンタリオ州は国内で2番目に感染者の多い地域で、州内の感染者数は1万8000人を超えている。
3月16日に外出自粛要請、次いで3月24日に必要不可欠な物以外を提供する職場やお店の営業を強制閉鎖が命令され(発表の時点では期限は未定だったが、後に6月30日までの延長)、店舗の通常営業が行えない状況だ。
そんななかで、山村さんに最も困ったことを聞くと「日本に住んでいる方と同じく収入を得る手段が限定された点です」と語る。
「ワーキングホリデービザを持つ滞在者はローカルの飲食店などで職を探すのが一般的で、私も2か月語学学校に通い、4月にはアルバイトを始める予定で職を探しました。しかし、あらゆる施設が閉鎖。飲食店はほとんどの店舗がテイクアウトのみの営業に切り替えたため、仕事を探すことができません」
日本人留学生の多くがデリバリーサービスに従事
現地人も含め、すでにレストランなどで働いていた人も出勤日を極端に減らされるか、解雇された人も多いという。
「語学学校で知り合った大学生の一部は、この状況がどこまで続くかわからないので帰国をした者もいます。そんななかで滞在することを決めた私のようなワーキングホリデービザでの渡航者や、語学留学生の多くは英語力が不十分で、現地での正しい情報を把握できないことができなくて困っています」
そんななか、山村さんが見つけた仕事が、外出制限の中で許可されている「UberEats」でのフードデリバリーサービスだ。
「私も自転車を安く手に入れて、配達業を始めることができました。カナダに残っている多くの日本人は私に限らずデリバリーサービスに従事し、生計を立てている者が多いです。私も、これで現状は生活を送る収入を得続けることができそうなので、カナダでの滞在を選びました。逆に言えば、それくらいしか手段がないとも言えます」