コロナ倒産はパチンコ店やアパレルにも。広い業界で破綻が相次ぐ
その猛威は衰えることを知らず、いまだ緊迫したムードの続く新型コロナウイルス。長期化する自粛要請が経済にに与える影響は大きく、民間調査会社である帝国データバンクが4月27日に行った調査によれば、新型コロナウイルスの影響で倒産した企業は全国で100件にのぼる。
すでに「bizSPA!」でまとめて紹介した「観光業界」、「飲食・食品業界」のほかにも、実店舗で集客を行う業種を中心に影響が出始めている。今回は業種を問わず“コロナ倒産”した企業を見ていこう。
娯楽産業で負債84億円の倒産が
現在判明している倒産企業の中でも、比較的負債額の大きい企業が「(株)エターナルアミューズメント」だ。同社は、クレーンゲーム機を主体とした100種以上のアミューズメント機器のレンタル、卸を行いショッピングセンターや温泉スパ施設など全国1000か所以上に設置していた。
また、総合アミューズメント施設「キラキラAsobox(アソボックス)」やアニメ雑貨販売店「Anibox(アニボックス)」を全国に約100店舗出店するなど業績を拡大していた。
一方で、消費税増税による店舗売上の減少や、精力的な出店による商品在庫が重荷となり、資金繰りがひっ迫。そこに新型コロナウイルスの流行による来店者数の減少が重なり、感染リスクを勘案した臨時休業を行なったまま再開することなく倒産した。
負債額は約84億円にものぼり、都内初の新型コロナウイルス関連倒産となった。なお、負債額は2010年代以降のアミューズメント施設の経営破綻としては過去最大でもある。
似た業種の倒産では、パチンコホールでは初の倒産となる「(株)赤玉」(負債額:37億円)や札幌でキャバクラを運営していた「(株)エールカンパニー」(負債額:700万円)がある。「三密」が避けられる中で、娯楽産業も厳しい状況にあるようだ。
衣料品、雑貨業界にも大きな打撃
衣料品店や雑貨店の倒産も多い。「キャスキッドソンジャパン(株)」はイギリスの服飾雑貨ブランド「Cath Kidston(キャスキッドソン)」の日本での店舗運営会社。
小花や薔薇、野苺などのモチーフとしたバックやポーチは幅広い年代の女性に人気を博していた。しかし、イギリス本社の業績悪化に伴って、すべての店舗で短縮営業・臨時休業を行い資金繰りが悪化、その後も見通しが立たず倒産に至った。負債額は約65億円。