テレワークを選ぶと「無給」に。ブラック法律事務所で働く事務員の怒り
テレワーク期間はまさかの“無給”
現役事務員の鈴木さんによれば、業界的にこのようなブラック経営が常態化している法律事務所は少なくないそうで、そうしたヤバい事務所では、事務員が弁護士から日常的にモラハラを受けることもざらだとか。
「残念なことに、我々事務員のことを見下してバカにする不愉快な弁護士が一部にいます。これは法律事務所ならではの問題とも言えるのですが、社長自身が弁護士も兼ねているので、もし、そうしたブラックな環境の改善を求めて社員が直訴したとしても、弁護士社長はそれをブロックするだけの悪知恵やディベート力を備えているからビクともしません。
ただ、そうやって話を聞いてくれるだけでも、まだマシな部類です。ウチの会社は問題が起きたら社員に一斉送信メールをするだけ。テレワークの件にしても、『希望者は自己判断で。ただしその間は無給となります』とメールに一言添えられていましたから(笑)」
コンプライアンス遵守のはずが、まさか…
「もう“コロナに感染する”か“無収入”か、どちらか好きなほうを選べと会社に言われているようなものですよ」
半ばあきらめたような表情で、そう最後に漏らした鈴木さん。コンプライアンス遵守が専門分野であるはずの法律事務所で、まさか社員のコロナ罹患よりもお金を優先する超絶ブラック行為が現在進行形で行われていようとは……。
最悪の事態が起きてしまう前に、代表者が考えを改めてくれるのを祈るばかりである。
― 特集 新型コロナ・若者の憂鬱 ―
<TEXT/永田明輝 イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>
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