テレワークを選ぶと「無給」に。ブラック法律事務所で働く事務員の怒り
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。ウイルスの感染拡大が抑制されない大きな要因のひとつに、働き方の問題があるかもしれない。
テレビなどの報道では、テレワークや自宅待機の実施が進んでいるような印象を受けるが、厚生労働省とLINEが協力して行った「新型コロナウイルス対策のための全国調査」によれば、企業のテレワーク実施率は全体の僅か27%しかないそうだ(4月12〜13日の第3回調査、有効回答約2378万人)。
60名以上の社員が常駐する過密状態
都内にある某法律事務所で事務員を務める鈴木陽子さん(仮名・30歳)は、テレワークの対象外になってしまっている一人。それどころか、コロナをめぐる常軌を逸したブラック対応のせいで「社員一同大変な目に遭っている」と、会社への不満を爆発させた。
「私の勤務する法律事務所では、社長がテレワークNGの通達を出していて、社員一同困惑しています。というのも、オフィスにはデスクが所狭しと並べてあり、60名以上の社員が常駐している過密状態。
いわゆるソーシャルディスタンス(人と人との距離)の確保はどう考えても不可能なのに、今も毎日定時に出社を余儀なくされているんです」
すでに政府はコロナ対策の一環として、「人との接触を7~8割削減すべき」という要請を出している。中堅規模の法律事務所が、この政府要請をまったく聞き入れていないというのはどういうことなのか?
集団感染が起きてもおかしくない
「集客のメインが電話営業なので、営業部門にかかってくる電話を一本たりとも逃したくないのでしょうね。もしテレワーク化してしまったら、売り上げが大幅に減少する可能性があるとはいえ、人命より金を優先する異常な状況がこのままダラダラ続いてしまうと、いつ事務所でクラスター(集団感染)が起きてもおかしくありません。
ところが社長はというと、よほどコロナに感染したくないのか、社員には認めなかったテレワークを自分には適用して一切出社していません。しかも、こっそり愛人の秘書と旅行にまで行っているという噂もあって、みんな呆れ果ててますよ」