内定先はワンマンおじいちゃん会長の“絶対王制”。20代秘書の嘆き
会長を追い出して、変わると思いきや…
そんなおじいちゃんの横暴に付き合いきれなくなった役員が、あるとき反撃に出たのだそう。
「会長は、自分の発言を忘れることがあるほどボケ始めていたものの、相変わらず社員を怒り散らしていたので、社長を筆頭に役員がクーデターを起こしました。運営に口出ししないことを約束させ、会社に関する権利を奪い取ったのです」
そして待遇面ではタイムカードが設置され、月に6日の休日取得が厳守されるようなりました。
「社長が全社員を鼓舞し、最初は新たな企画作りにみんな胸を躍らせていました。しかし、新体制になっても役員たちが私腹を肥やしているだけだと、だんだんと気付き、退職者が現れ始めました。今でも愛想を尽かした人がどんどん辞めていっているそうです」
超ワンマンと拝金主義ホワイト、どっちが幸せ?
会社のためではなく、自分たちのためのクーデターだったわけですね。優さんも現在は別業界で働いているとのことですが、なぜ退職を選んだのでしょう。
「私は入社3年目で退職しました。直接の理由は、遠方地への異動を命じられたからでした。家庭の事情で東京を離れられないので、やむを得ずです。でも、役員たちの新方針に違和感を抱いたのも理由のひとつでした」
仕事への情熱はあるけど超ワンマンな上司か、拝金主義だけどホワイトな上司か、どちらにつくのが部下として幸せなのか? そんな二択を考えさせられてしまう優さんの体験談でした。
<取材・文/阿形美子 イラスト/デザイア恵利>