転職するのに36万円。異色の「キャリアトレーニング」に若者が集うワケ
厚生労働省の調査によれば大卒の3人に1人が「3年以内に離職する」と言われています。新型コロナショックによって生活不安も高まっている昨今、自身のキャリアについて改めて考え直す人も少なくないだろう。
そんな状況のなか、キャリアのプロフェッショナルである専属トレーナーが転職活動にマンツーマンで伴走し、短期間集中で徹底したキャリアトレーニングを行う転職支援サービス「ゲキサポ! キャリア」を知っているだろうか。
今回は同サービスを運営するポジウィル株式会社の金井芽衣社長と、「ゲキサポ!キャリア転職」事業責任者の岡千尋氏にインタビューを敢行。一般的な人材サービスとは一線を画す同サービスの取り組みを紹介しながら、人気を集めている背景やより納得感のあるキャリアを実現するためのポイントなどをうかがった。
求職者からお金を受け取る会社がなかった
単発型のオンライン相談サービスから発展するかたちでサービスを開始した「ゲキサポ!キャリア」。
その最大の特徴は、転職サイトや転職エージェントのように自社求人を紹介するのではなく、個人のユーザーから報酬を受け取ることで、求職者の立場に徹底的に寄り添うスタイルを可能にしている点だ。
「そもそも転職支援サービスの業界で求職者からお金をいただくサービスはありませんでした。法律上、有料職業紹介事業の認可を受けている事業者は、個人か法人のどちらからしか報酬を受け取れない決まりですが、法人から報酬をいただくと年収×30%くらいのフィーが入ります。
たとえば年収500万円で1人決まったら150万円くらい入ることになるので、あえて個人の求職者からお金を受け取ることを選ぶ会社がなかったんです」(金井氏)
大手エージェントは「通り一辺倒のbotみたい」
2019年7月末の本格リリースから約半年が経過した現在、60日間のプランで36万円という価格ながらユーザーは20代前半が最も多く、「もっと高くても使った」との声もこれまで少なくなかったという。そこには転職希望者が抱える既存の人材サービスへの不満が垣間見える。
「大手の転職エージェントだとアドバイザー1人あたり200人くらいの求職者を担当しているので、あまり深い話はできません。通り一辺倒のbotみたいなやりとりで『頼れない』と感じるユーザーが多い。
私たちの専属トレーナーは幼少期からユーザーの人生を振り返り、今後どう生きたいかまで全て棚卸しして、自社求人が存在しないので純粋に自分がどう生きたいかを軸に本人が決められる。この差が一番大きいです」(金井氏)