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なぜ会議の「ブレスト」は失敗するのか?アイデアが出る4ステップ

学び

思考を広げるフレームワーク

 ここでは、チリテーブルというフレームワークを紹介します。

「チリ」はアメリカではポピュラーなスパイシーな豆料理です。各家庭のチリ料理を持ち寄ってホームパーティーを開くこともあるので、この名前がついたのだろうと思います。

 日本で言うなら手巻きずしにニュアンスが近いかもしれません。具材の組み合わせ方によってまったく違う味になるように、単語の組み合わせ方によってまったく違うアイデアが生まれる発想法です。

 ここでは「これまでにない、新しいモビリティ(乗り物)を考える」というテーマを仮定してチリテーブルを実践してみます。

ステップ1 変数を考える

「変数」とは、数式で使うx・y・zに該当し、これを組み合わせることで1つのアイデアが生まれます。

 例えば、乗り物なら顧客セグメント、乗り物の種類、運転する場所などが変数に挙げられます。難しく考えずに、乗る人数乗り物の色、動力源など、思いついた単語を変数にしてみてください。この「変数」を横に並べていきます。

ステップ2 変数に該当する単語を考える

 ステップ1で出した変数の下に思い付く限り単語を挙げていきます。例えば、「顧客セグメント」には高齢の女性、カップル、友人、家族、妊婦、1歳の子供、訪日外国人など、乗り物を利用する対象となる人を思いつくままに挙げていきます。

感性思考

※『感性思考』(SBクリエイティブ)より

 ここで大事なのは、「子供だけで乗れる乗り物なんて三輪車ぐらいだろう」「外国人限定の乗り物なんてあり得ない」などと、思い浮かんだアイデアを否定しないこと。何が新しいアイデアに結び付くのかは分からないので、思い浮かんだら即リストに加えていきます。

 宇宙人といった非現実的な単語であってもリストに加えると、発想が枠外に広がります。

 乗り物のタイプは自動車、スケボー、バス、電車、飛行機、船、スクーターといった既存のもので構いません。乗る場所は道路や公園、倉庫や空港、サッカースタジアムや駅の構内、ショッピングモールの中などを挙げていきます。火星や月であっても、もちろんOKです。

感性思考 デザインスクールで学ぶ MBAより論理思考より大切なスキル

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