確定申告で副業が会社にバレる?会社員が知っておきたいマネーの基礎
会社員が確定申告をするのは何万円から?
――副業で稼いで確定申告をするといい?
大河内:副業所得が20万円を超えたら確定申告をする必要があるのは、多くの人が知ってると思います。基本的な考え方は、売上から経費を引いて残った利益に対して課税されるので、経費を自分で考えて詰め込めば税金が減ることになります。
経費に対する普遍的な考え方は「あなたの仕事に関係するかどうか」という点だけです。「交際費はOK」「美容費はNG」といった明確な基準はなくて、ほとんどの経費がグレーで、人によって変わるんです。
たとえば人前に立つ仕事やYouTuberを副業でやってれば、ビジュアルもある程度大事だから美容費が経費として認められるかもしれない。こういった考え方が重要です。
他人やネットの情報も関係なくて、あなたがやってる仕事に一番詳しいのはあなた自身です。後ろめたい気持ちやゴマカシがなければ、経費は堂々と申請してください。そこにいいわけやゴマカシがあると、税務調査官もプロなので見透かしてきます。
自宅の家賃を例にすると、よく「家賃の3~5割が経費の限界」と言われていますが3LDKの部屋に住んでて、1室は撮影部屋、もう1室は仕事部屋、リビングも打ち合わせに使っていたら、半分以上仕事で使ってることになります。そうなると一般的なルールは通用しないんです。
別に脱税をしようと思って無茶してるわけじゃないので、仮に否定されても大きな問題になったりはしません。そこは勇気を持ってしっかりと、経費計上していけばいいと僕は思います。
副業所得20万円未満でも確定申告するべき?
――年間の副業所得が20万円以下であれば、サラリーマンは確定申告はしなくていい?
大河内:20万円を超えてなければ、確定申告をしなくてもいいと思います。だけど、年末調整で処理されないものとして、寄付金控除、医療費控除、雑損控除の3つがあります。
寄付金は主にふるさと納税のことで、給与収入や家族構成をもとに、自己負担額の2000円を除いた全額が所得税(復興特別所得税を含む)および個人住民税から控除されます(※)。
また1年間のうちに自己負担した医療費が実質的に10万円を超えたときは、確定申告すれば、数万円は手元に戻ってきます。雑損控除は、台風で持ち家が壊れたとか、盗難に遭うと一定の控除が受けられます。
いずれも税金を取り戻すチャンスですが、大多数の人がそれを知らないで、お金がもらえるチャンスを逃しているのです。
※ふるさと納税は、納税先が5ケ所以内なら「ワンストップ特例」で確定申告が必要ない。