稼げる通訳ガイドに!規制緩和で広がる「インバウンド副業」の可能性
ツアーを企画したジェイノベーションズは、もともと日本でローカルな体験をしたい外国人と、英語を使って国際交流をしたい日本人とをマッチングする無料サービスを提供している企業でした。
通訳ガイドに必要なスキルとは
今回の有料ツアー実施に関して、同社代表取締役社長の大森峻太さんはこう述べます。
「現時点では語学力やおもてなし力に優れた社員がメインで対応していますが、ゆくゆくはマッチングサービスに登録しているボランティアガイドの人たちの中から優秀な人材を引き抜いて、有料ガイドに充てる計画です」
それでは、「優秀な」通訳ガイドとは、どのようなスキルを持った人なのでしょう? 先程のツアーガイド、野村さんに聞いてみました。
「通訳ガイドをするには、ネイティブとまではいかなくともビジネス会話程度の英語力は必要です。でも、ペラペラに喋れればそれでOKというわけでもなく。ツアーには英語圏以外の参加者も多いので、喋る速度を落としたり、ジェスチャーを多めにしたり、相手の理解度にあわせて対応を変える気配りも必要です」
非英語圏の人たちにはネイティブが使うスラングなども通じないので、言葉選びも重要なようです。また、ツアー中にお客さんと意気投合して仲良くなることも多いそう。
「ツアーの後に飲みにいくこともあります。Facebookで連絡先を交換して、その人たちが自分の国に戻ってからも連絡をとりあって、親交が続くケースはとても多いです。実は僕、明日からイギリスに行くんですけど、それもツアーで知り合って友達になった人の家にホームステイさせてもらうんですよ」
通訳ガイドの副業をはじめるなら今がチャンス
ツアーガイドは副業としても注目度大。大森さんは「ある程度の英語力と、思いがあって、コンテンツ(ツアー)を作る力があれば、個人でも十分できますよ」と述べます。
「体験サービスを提供しているAirbnbなどに登録すれば個人でもツアーの販売が可能です。例えば、1時間のツアーを3000円で売り、4人の申し込みがあったら1万2000円の稼ぎで、手数料をひかれても1万円ほど残ります。それを毎週末に1回やるだけで、月に4万円近く稼げることになりますよね」
では、人気ツアーの作り方についても聞いてみました。
「うちのツアーでは、ルートはもちろん、それぞれのスポットでどのような説明をするのかという筋書きもしっかりと用意しています。ルート選びで意識するのは、旅行者だけでは行けない、あるいは行っても説明がないとよくわからないところに連れて行って、楽しさを知ってもらうことです」
ただし、すぐに儲かるというわけではないので要注意。
「ルートづくりは慣れないうちは難しいと思います。でも、それはもう試行錯誤しかないです。何回もやるうちにどういうスポットが海外の方にウケるのか、わかってくると思いますよ」
英語は話せるけどなかなか使う機会がない。外国人と喋りたい、交流したい! そんな思いがあるのなら、この機会にガイドを始めてみてはいかがでしょうか?
<取材・文/Sarry>