28歳お坊ちゃま会社員が「車を持たない」訳。根底には教習所でのトラウマ
自動車教習所で負ったトラウマ
その根底にはかつて大事にしていた所有物についての忘れられない体験があったようです。
「高校生の頃、親が買ってくれたロードバイクで学校まで通っていたんですが、ママチャリに乗る同級生が多い中だったので悪目立ちしてしまったようで……。何者かの手によって大事にしていた自転車の空気を抜かれ、サドルを盗まれたんです。当たり前のことながらショックでしたね。もし同じようなことを自動車で起こると思うと……」
また日常使いする上で、致命的な弱点についても話してくれました。
「実は教習所の高速道路教習でトラウマがあるんですよ。一般道ではゆっくり運転していれば事故は避けられますが、高速道路は急発進も急停止もNG。それが辛かったです。冷静になろうと努めましたが、反対に汗が止まらなくなりました」
運転中に最悪の状況を想像する癖
それ以降、自動車に乗ると最悪の状況を想像する癖がついてしまったそうです。
「車を運転するのが怖いんです。もともと不器用で反射神経にも自信がなくて……。先ほど述べた自動車教習でのトラウマもあります。これからの人生でタクシー利用が多くなると思うので、人よりも稼がないといけないと思ってます。“クルマ社会”の場所には住めないし、住みたくないですね」
面倒なメンテナンスやリスクもありますが、行動範囲を広げてくれる便利な乗り物である自動車。自動運転も実用化に向かって進んでいますので、運転が苦手な方でも自動車を所有する時代がいずれ訪れるかもしれません。
― 特集・検証!若者の〇〇離れ ―
<TEXT/永代明介 イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>
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