28歳お坊ちゃま会社員が「車を持たない」訳。根底には教習所でのトラウマ
若者の間で加速している「クルマ離れ」。近年では自家用車を使って利用者を送迎するライドシェアアプリや、毎月定額で自動車をリース利用できるサブスクリプションなど新たなサービスが次々と出ています。
かつてのように販売店で購入したお気に入りの一台を乗り続けるのではなく、所有しない自動車の使い方が拡大しています。
幼少期は専属ドライバーの送迎で通学
都内の高級住宅街で生まれ育ち、現在は港区のIT企業で勤務する五十嵐実さん(仮名・28歳)は、祖父が地元では有名な資産家。そのため、都心にいながら、幼い頃から車に馴染みのある生活を送っていたようです。
「祖父が専属の運転ドライバーを雇っていたので、塾や習い事には送迎してもらえました。当時はそれが当たり前だと思っていたのですが、中学生になってから珍しいことだと知りました。それまでは『お坊ちゃんキャラ』で周りからチヤホヤされていたのも、悪い気はしませんでした」
しかし年を重ね、自我が芽生えるにつれ、徐々に送迎車とは距離を置くようになりました。
「思春期ともなると、親族が御膳立てした車に乗るのはダサいなと思い始めまして……。大学では金持ちキャラも封印して、周りに合わせたキャンパスライフを送っていました」
駐車場で車を傷付けられるリスクが怖い
そんな五十嵐さんですが、それなりの額を稼ぐ大手企業の会社員となった今でも、免許は持っているものの、電車やタクシー移動がほとんどのようです。
「今の生活では自動車を持つ必要性は感じなくて。所有するとなるとメンテナンスが大変ですし、ガソリンが切れたらいちいち入れに行かないといけないですし」
公共の場所に駐車することで「誰かに傷付けられるリスク」についても気になるようです。
「駐車場に車を停めて、目を離している間、道行く人に車体を傷つけられたり、追突される可能性はゼロじゃないですよね。路上に放置するなんて気が気じゃありません」