“マスクで予防”は無意味?新型コロナ予防を在米ウイルス専門医に聞く
予防のためのマスクは無意味?
――予防のためのマスクはどのくらい効果があるのでしょうか?
峰:マスクの使用は、咳・鼻水や熱などの症状に自覚がある方のみで大丈夫です。感染を防ぐ手段としてのマスクは専門家の間でも効果に賛否があります。
着用するときは鼻を出したり、マスクをアゴにずらす「アゴマスク」は効果がなくなるので避けてください。
また、一度使用したマスクの使い回しはおすすめできません。マスクは外気とのフィルターなので、使っているうちに外側の部分は、空気中のゴミやウイルスで汚染されます。
そのため、取り外し時にはマスク自体ではなく、耳にかけたゴムの部分を持ってはずしてください。外側に素手で触ると、そこで手が汚染され、場合によっては接触感染の原因となってしまいます。
――最近では自作マスクもブームですが、どの程度効果があるのでしょうか。
峰:咳やくしゃみの症状がある方が、飛沫を飛ばさないようにするためなら自作でもアリだと思います。ただ、繰り返しですが、一般にはマスクでの予防の効果ははっきりしません。
アルコール消毒よりも「手洗い」を
――最近ではどこの建物にもアルコール消毒「サニタイザー」が置いてありますが、どのくらい効果がありますか?
峰:アルコール消毒はアメリカのCDC(疾病対策センター)やWHO(世界保健機関)も推奨しており、手のひらと甲を含む手全体にしっかり液体を刷り込んで使えば、石鹸の手洗いと同様に効果があります。
ただ、石鹸を使った手洗いができれば、そこからアルコール消毒をする必要はありません。手洗いのほうが効果的であることが多いでしょう。
また、油汚れ、タンパク質汚れ(血や汗など)といった汚れがついたままアルコール消毒しても効果が薄まるので、やはりまずは手洗いです。
アルコールや石鹸での手洗いで手荒れがひどいという方もいるかと思います。そういう場合は、お湯で手洗いしてください。加温効果でウイルスが落ちやすいからです。もちろん熱湯で洗う必要はありません。