楽天モバイル「月額2980円」で首都圏限定?使いやすさに懸念
通信エリアの確認は必須となる
前述したように、「パートナー回線」を利用できるのは毎月2GBまで。そこから先は128kbpsの通信制限がかかることになる。
したがって、楽天回線エリアの“圏外”で活動しているユーザーにとっては、既存のMVNOと比べても割高で、おすすめできる内容ではない。「楽天回線エリア」を出たとしても画面上では気付けないが、“見えない境界線”の内と外でまったく性能が違うプランなのだ。
問題は、この「楽天回線エリア」があまりに狭いことである。サービス発表の段階で、東京・名古屋・京阪神の3大都市圏以外には基地局を設けていない。
また東京都だけで見ても、23区にほど近い三鷹駅・調布駅で早くも“圏外”になる。京阪神の場合には、各都市を結ぶ鉄道沿線がすっぽり“圏外”なのが惜しい。
逆に、すべての生活が「楽天回線エリア」で完結している都会人にとっては、楽天モバイルは理想的なキャリアとなる。いずれにしても、あらかじめ通信エリアを確認しておくことが必須だ。
行く手を阻む4G・5Gの二重投資
楽天モバイルの自社通信網も、かつて3G(「FOMA」とも)や4G(LTEとも)がエリアを拡大していったのと同じように、どんどん勢力を増していく予定だろう。楽天は新規参入なのだから、基地局の設置が段階的となるのは当たり前の話だ。
しかし楽天モバイルの場合、自前の基地局として、4Gと5Gを並行して整備する必要がある。現在利用されているほとんどのスマートフォンは4Gで通信を行っているが、数年以内には新しい5G規格が優勢になる見込みだ。
したがって楽天は、4Gへの投資を回収できないうちに、5Gへの二重投資を強いられることとなる。これが数年後のサービス内容に影響してくる可能性も否定できない。