新型コロナで在宅勤務ストレスの対策は?「仕事は8割でもいい」
新型肺炎(COVID-19)の影響で多くの学校の休校を期にテレワーク、特に在宅勤務を実施する企業が増えています。
テレワークとは、所属する会社の事務所以外からICT(情報通信技術)を利用し勤務する業務形態を指す総称です。総務省によれば、サテライトオフィス勤務、モバイル勤務、在宅勤務の3つあります。
いずれも時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方で、ワークライフバランスの実現、人口減少時代における労働力人口の確保などへも寄与することが期待されています。
テレワークストレスの種類
私の産業医面談も、在宅勤務している方との電話面談が増えてきました。そしてわかったのは、新しい働き方であるテレワークに関しても、いろいろな取り方があるようです。
通勤がなくなり喜ぶ人もいます。家での居場所(在宅勤務場所)がなく肩身が狭い気分になる人もいます。ある人は子供と過ごす時間が増えたことを喜びますが、ある人はそのためにストレスが増えたと嘆き、在宅勤務におけるストレスも十人十色と感じます。
今回は、在宅勤務に伴うストレスや健康上のリスクについてお話しさせていただきます。まず、在宅勤務におけるストレスの原因として、「空間的なもの」と「時間的なもの」に分けて考えたいと思います。
「空間的」「時間的」ストレスがある
在宅勤務の空間的ストレスとは、ずっと同じ空間にいることによるストレスです。息が詰まると表現する人もいるでしょう。出勤や出社という環境の変化がない中で、一日ずっと同じ空間にいるため、オンとオフの区別、メリハリ、や気分転換がいつものようにできず、ストレスが溜まってしまうのです。
気分転換のための適度な外出、散歩、家庭内でも仕事スペースを設け、リラックスする日常的スペースとは区別することなどで対処している人は、上手に対応できている印象です。
時間的ストレスとは、この在宅勤務という非日常的状態がいつまで続くのかという先が見えないことによるストレスです。特に今回初めて在宅勤務を推奨しだした会社では、在宅では業務がうまく回らない、出社した方が効率がいい等々感じる社員は多く、在宅勤務というストレス状態がいつまで続くのか、先が見えず余計に大きなストレスになってしまっている方もいます。
例えば、全員がずっと在宅勤務をするのではなく、2、3チームに分けて、1週間ごとに出社する人たちを決めて在宅勤務者と出社勤務者の混合(split work style)でやっている会社では、時間的なメリハリは見えるため、このようなストレスは比較的少ない印象です。