若者の腕時計離れは本当?つけていても「スマホで確認」する若者も
時計好きでも「正確な時間はスマホで確認」
一方で、腕時計好きの20代の声も聞いてみました。メーカー勤務のタカヒロさん(仮名・28歳・年収600万円)に、同世代の腕時計離れをどう見ているのか聞いてみました。
「僕の周りの20代で仕事中に腕時計をつけているのは約半数程度ですが、個人的にはビジネスマンはつけるべきだと思っています。僕は、腕時計は時間を確認するだけのものではなく、スーツでも男性が唯一、つけられるアクセサリーだと思っているんです」
スマホに比べて機械式時計は誤差が生じるから使わないという意見もありますが、その点はどう考えていますか?
「ぜんまいで動かしている分、誤差はしょうがないと思います。僕自身、本当に正確な時間を知りたい時はスマホで確認します(笑)。それに、時間の正確さよりも、針の動きやケース裏から見えるメカの部分に魅力を感じます。また、世代を超えて話のネタになるので、上司やクライアントとの会話にも役立っています」
腕時計好きは正確な時間表示より、プロダクトとしての美しさや、腕時計をきっかけに広がる人間関係に魅力を感じているよう。
正確さ重視か、見た目重視か……。正確さだけを重視するのであれば、スマホやパソコンで事足りるという意見が出てくるのも当然のことでしょう。しかし翻ってみると、現在は、時間を確認する方法にさえも選択肢が与えられた時代といっても過言ではないのかもしれません。
<TEXT/阿形美子>
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