ライブ中継先としてのカラオケルーム

「音楽を中心とした長編映像を、カラオケと同じように簡単に視聴できるサービスで、アイドルやアーティストのライブ映像のほか、映画やアニメなどの映像も配信しています。

　自宅よりも大音量で観ることができ、プロジェクターを設置したルームでは迫力満点の映像を楽しめます。今までとは一味違う視聴体験は、ユーザーから好評をいただいており、歌うだけではなく、“観る”映像コンテンツで新たなエンタメ空間の創出に繋がればと考えています」

　みるハコの中で注目なのは、ライブ・ビューイング機能だろう。先に述べたライブ・ビューイング市場の拡大は、「カラオケ」という場の価値を再創造するのにふさわしいものだ。「JOYSOUND」を有するカラオケ店舗でライブ・ビューイングを展開することで、エンタメファンを身近な店舗へ誘引するきっかけ作りにもなる。

「映画館だけでなく、ライブ中継先としてカラオケルームが加われば、全国に点在する身近な店舗に足を運んで、気軽にライブ・ビューイングを楽しめるようになります。現在では約1000店舗で視聴でき、今後はさらに拡大していきます。

　小さなお子様がいらっしゃったり、住んでいる場所、仕事の都合などライブ会場に行きたくても様々な事情で行けなかったりしたファン層にアプローチできるので、まだまだ潜在市場があると見ています」

カラオケルームでファミリー層にも訴求

みるハコのサービスの様子。電子チケットを購入し、QRを読み込むことで視聴できるようになる。（コンテンツによっては無料で視聴も可能）

　アーティストにもよるが、コンサート会場は主要な都市で行われることが多いため、遠隔地に住むファンはわざわざ高い交通費を出さねばならなかった。

　また、人気アーティストともなればチケット争奪戦は必至であり、チケットが取れないファンは会場へ行くことができない。さらに、映画館でのライブ・ビューイングは一体感を持って楽しめる良さがある一方、子育て中の子供を抱えているファミリー層が訪れにくいという一面もある。

　そんな中、カラオケという場の空間は個室であり、プライベート性が担保されているので、周囲の仲間やファミリーと気兼ねなく楽しめる。そして、ライブ・ビューイング映像を観ながら手軽に飲食できたり、列に並ぶことなくトイレに行くことができたりと、利便性の面でもカラオケルームならではの優位性がある。