第2新卒を救う「しくじり採用」。ゲーム漬けの経験も長所に
明治時代にその原型が形作られ、今なお日本企業の雇用慣行となっている新卒一括採用。
ところが、大学在学中に遊びや趣味、はたまたアルバイトに熱中しすぎてまともな就活ができず、留年や中退に追い込まれてしまい、気がつけば新卒一括採用の枠からこぼれ落ちる若者も……。
そんな「やらかしてしまった若者たち」を「しくじり採用」と称して、第二新卒採用に積極的なIT企業とのマッチングやプログラミング習得サポートを開催しているのが、コラボテクノ株式会社の「techCompass」という、20代のエンジニアに特化した就職支援サービスだ。
今回はtechCompassでマネージャーを務める木村洋子さんに、新卒の肩書きを失った若者の就活について話を聞いた。
第二新卒の「しくじり」2パターン
――「しくじり採用」というとてもユニークな人材紹介のコンセプトですが、この取り組みを始めた経緯を教えてください。
木村洋子(以下木村):私たちが提供する就職支援サービスを利用しているのは、おもに第二新卒の方々なのですが、その第二新卒の中には、大きく分けて2つのパターンがあります。
ひとつは頑張って企業に就職はできたけど、自分の希望部署に配属されなかったとか、待遇や人間関係などネガティブな理由で転職を考えている人。もうひとつは、遊びやアルバイトを優先して就活自体をおろそかにしてしまった結果、内定ゼロで卒業だけしちゃった人です。
――後者は大学で散見しがちなやらかしパターンですね。
木村:自業自得と思われるかもしれませんが、新卒枠からこぼれてしまっても優秀な人材は一定数いて、勿体無いことに、今の日本の就活システムの中では埋もれてしまっています。
せっかく平均値以上の能力があっても日の目を見ない若者たちが存在するなんて、長い目で見れば日本の人的損失ではないでしょうか。
オンラインゲームで全国2位まで登り詰める
――確かに。もうちょっと具体的に、どんなしくじりエピソードを抱えた人がやって来るのか教えて欲しいです。
木村:個々によってケースはさまざまですが、ある会員さんは、大学在学中に「PUBG」っていうオンラインのバトルロイヤルゲームにハマってしまって、卒業後も働こうとせずにゲーム漬けの日々だったそうです……。
ただこのゲーム、4人のチームで行うのですが、人選~戦略~指示出し~競合研究を1人でこなし、昨年末には日本2位の結果を出したとか(笑)。
――しくじりもそのレベルまでいっちゃうと、プロのeスポーツ選手になれそうな勢いですね。