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松葉づえで1か月通勤したら…電車で「誰も席を譲ってくれない」悲しい現実

学び

 朝のラッシュ時には、多くの路線が乗車率150~200%に跳ね上がる首都圏の鉄道各線。車内はおしくらまんじゅう状態で、つり革をつかめない位置だと足で踏ん張って、減速時やカーブではバランスを崩さないようにしなければなりません。

つり革

※画像はイメージです

 フットサルが趣味の鍬原康司さん(仮名・32歳)は就職4年目の冬、試合中に右足首を骨折。手術が必要となり、2週間入院したそうですが、特にキツいと感じたのは退院してから。1週間の自宅療養を経て仕事に復帰しましたが、「松葉づえでの通勤はとにかく辛かった」と言います。

松葉づえなのに誰も席を譲ってくれない

「自宅は郊外にあり、最寄り駅にはエスカレーターやエレベーターもなかったので階段の上り下りだけでも時間がかかります。電車も朝だから混んでいて席は空いていません。

 淡い期待を抱いて優先席近くのドアから入るようにしていましたが、誰かが席を譲ってくれたのは松葉づえ通勤の約1か月の間で数えるほどです。優先席を見渡しても誰も私と目を合わせようとしませんでした(苦笑)」

 それどころか走行中の揺れでバランスを崩して、目の前の優先席に座るサラリーマン風の中年男性にもたれかかるように倒れてしまった際には、にらまれて舌打ちをされたとか。

「すぐに上体を起こして謝りましたが、あれには驚きましたし、それ以上に悲しくなりましたね。私が松葉づえを持っていたのも見えていたはずなのに。このときは別の方が席を譲ろうとしてくれたのですが、白髪の60代くらいの女性だったのでお礼だけ言い、さすがに遠慮しました。ほかの若い方なんか優先席に座っているのに知らんぷりだし、皮肉なものですよ」

 ちなみに自宅最寄り駅から職場までは電車1本では行けず、途中駅での乗り換えが必要。ターミナル駅なのでエスカレーターやエレベーターはあったそうですが、駅構内での移動距離が長く、いつもは5分ほどで行けるところ、倍の10分以上はかかったといいます。

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