郵便局で「キャッシュレス決済」が可能に。自治体、学校に流れ広がるか?
行政サービスは「現金払い」主流
このように一部では始まりつつある行政サービスのキャッシュレス決済化ですが、対応している自治体は現段階だと少数派です。
政府のお膝元である国会内や、首相官邸内の食堂でも売り上げが少なく採算が取れないため、電子マネーやクレジットカードでの決済導入は見送られています(※時事通信「キャッシュレス、政界進まず=官邸、国会で未対応」2019/10/06)。
「一般社団法人キャッシュレス推進協議会」に参加している京都府では、利用者から料金を徴収する府の57施設のうち、キャッシュレス決済が利用可能な施設は「スチールの森京都」1施設に限られています。
公共施設でのキャッシュレス決済導入が遅れがちな理由について、「京都新聞」は「端末機器費や決済手数料を運営団体や利用者でどう負担するかといった課題」と報じています(※「キャッシュレス、公共施設で対応進まず 京都府は1施設のみ 費用負担が課題」2019/10/25)。
学校では現金払いがいまだに主流
学校では旧態依然とした支払い方法が主流です。
「日経新聞」は、都内のある公立小学校では、給食費などの学校納入金に関してはゆうちょ銀行の口座を開設させられ、保護者が手数料を負担して口座振替をさせられることがある、と報じています(※「キャッシュレスは遠い話 学校・自治体は旧態依然」2019/1/3)。
しかし、一方で栃木県宇都宮市にある宇都宮短期大学附属中・高では、生徒らの身分証明にnanacoの機能をつけたICカードを導入しました。
同校内の2店のコンビニエンスストアのレジや、食堂の食券販売機、飲み物の自動販売機などでは導入したnanacoで買い物ができる仕組みです(※下野新聞「生徒らの身分証に電子マネー 導入の動きじわり 栃木県内の私立中高」2019/9/2)。
このように、学校や自治体では、キャッシュレス決済を先進的に導入していく所と、いまだ昔のままのシステムを使い続けている所に分かれている状況があるようです。