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「危ない副業」にハマった29歳、処方薬の転売で月数万円

コラム

病院選びをしっかりすれば不審がられない

クスリ

「昔は自分の使わない薬を転売する程度だったのですが、何せ出品すればするほど売れるので、今では転売をするために遠出して、各地域の精神科や心療内科に顔を出し、薬を入手しています。自分ではたまに飲むくらいで、ほとんどは転売に回していますね」

 しかし、そこまで個人が大量に薬を消費して病院から不審がられたりはしないものなのでしょうか。福本氏は悪びれることなく、「病院選びをしっかりしていれば問題はない」と豪語。

「例えば『薬を失くしたからまたもらいたい』と言った時に、『もうこれ以上は出せない』という病院には、よほどのことがない限り、もう出向きません。僕みたいに多くの病院に足を運んでいると、ラクにたくさんの薬を処方してくれる病院と、そうでない病院とが自然とわかってくるようになるんです。

 今は薬を躊躇なく処方してもらえる病院を月に何度かはしごしてるだけで、十分な量の薬を入手できます。おそらく一般的に言えば質の悪い病院になるんでしょうけど、僕みたいな転売屋や薬に依存してる人からすればありがたい話ですよ」

診察をロクにしないまま処方する医師も

 福本氏によると、現在のかかりつけの病院では診察室で症状を話す間もなく薬を処方してくれるそうです。

「医者もこちらの意図をわかっているのか、ロクな診察もせずにバンバン薬を出してくれるので助かっていますね。楽な仕事なので、今の状況が続けば良いなとは思いますけど……。違法行為だということはもちろん認識しているので負い目を感じることは多々あります。本当はこんなことすぐにでも辞めたほうがいいんでしょうね」

 処方薬の転売で収入を得ることに、一応罪悪感は抱いているものの、辞めるきっかけがない福本氏。安易な小遣い稼ぎに走った彼に、明るい未来は訪れるのでしょうか。

<TEXT/小畑マト>

自称ノンフィクションライター。犯罪、薬物、売春などドロドロした原稿をトロトロ書いてます

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