まるで夫婦?仲が悪かった兄妹が同居を始めて起きたこと
意外とメリットが多いことに気づく
1人暮らしにしては広めの部屋を借りていた祐介さん。スペース的な問題はなかったものの、当初は家族とはいえ異性である美香さんとの同居はかなりのストレスだったそうです。しかし美香さんとの同居には思わぬメリットもありました。
「実家で毎日のように母親の夕飯作りを手伝ったりしていたので、料理の腕はバツグンなんです」
料理が苦手な祐介さんは、それまでは外食ばかり。美香さんが作ってくれるようになったことに加え、食費が折半になったことで、当時はバイトと仕送りで賄っていた生活費も浮くように。同居することで得られるメリットは、それだけではありませんでした。
「あまり認めたくはないのですが、自分は寂しがり屋なんです。彼女がいない時は夜通し飲み歩いて気をまぎらわせたりするのもザラでした。でも妹と同居してからお酒がらみで散財することがなくなったんです。
愚痴やくだらない話でも、文句を言わず聞いてくれますし、芯をついた意見をくれたりもするんです。実家暮らしのころは、込み入った話は全然してこなかったので気づかなかったんですが……」
気づけば半年、1年が経過し…
3か月が限度だと思っていたのが、気づけば半年、1年と同居生活が続き、祐介さんは大学を卒業し、就職することに。
慣れないうちは体力的にも精神的にもハードな新社会人の生活においても、炊事洗濯をやってくれる美香さんとの同居は、メリットが多かったといいます。祐介さんは、そんな生活にもいずれ終わりがくるものと思っていました。
「妹は、自分より良い大学に通っていたので、大手の銀行に就職が決まったんです。銀行は転勤が多いと聞いていたんで、妹はそのうちに出て行くことになると思っていたんですが……」
美香さんは新人研修を終えて、都内の支店に配属されましたが、それからしばらくした頃に、会社を辞めてしまいます。