駅の自販機で「スープ缶」が人気。JR東日本が語る、開発秘話
冬場、駅のプラットホームの自販機といえばこれまではお茶や紅茶、コーヒーがメインでスープといえば「コーンスープ」などが主流でした。
しかし、そんな常識が昨今では変化しつつあるようです。駅構内の自販機には「カレー」や「とん汁」、「デミグラスソース」など従来の傾向を一新するようなスープ缶がぞくぞくリリースされています。
そんななか、JR東日本ウォータービジネスから12月に「旨辛 麻婆スープ」なるスープ缶が登場。同社は2018年にも「ふかひれスープ」という一風変わった商品を発売しています。そこで、同社広報担当の小室塁さんに商品開発の内幕について取材してみました。
スープ飲料の需要は年々増加
――新作「旨辛 麻婆スープ」「ふかひれスープ」スープ缶を開発したきっかけはありますか?
小室塁(以下、小室):冬のエキナカで、スープ飲料の需要は年々高まっているなか、各社定番のコーンスープを始めとした洋風スープや、数年前からは自販機でみそ汁という和風スープも登場してきました。
そこでさらなる拡大を考えた時に、中華風スープのスープ缶がないなと気づき、「ふかひれスープ」を、そしてさらに、辛いスープ缶ってあまりないなと感じていたので、「旨辛 麻婆スープ」を企画しました。辛い物は男性よりもむしろ女性ウケがよいため、新たなターゲットも狙えると考えています。
「ごま油」を缶飲料化するのに苦労
――特に麻婆をスープにするという発想はなかなか珍しいと思いますが、開発で苦労した点があれば教えてください。
小室:辛さの調節が一番の苦労どころでした。辛くて美味しいを追求すると、塩分が濃くなってしまいます。しかし、最終的には、辛い物好きな方にも、辛い物がそこまで得意でない方にも、おいしいと感じていただけるような、ちょっと辛いすごく美味い、味付けにできました。
――同様に「ふかひれスープ」の開発で苦労した点があればお教えください。
小室:商品化にあたっては、香りを立てるために使用した「ごま油」を缶飲料化するのに苦労しました。もともとは2017~2018年の冬発売を目指していましたが、開発が間に合わず、その1年後の2018~2019年冬にようやく発売することができました。