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「同僚の本名を知らない」 あだ名で呼び合う職場の実態

ビジネス

新入社員からも話しかけられやすい

バンビさん

新しく入った方ともコミュニケーションが取りやすいと語るバンビさん

若旅:つまり、このカルチャーって、あだ名をつけなきゃいけないというものではなく、呼びやすい名前で呼ぼうってことなんですよね。ビジネスライクになりがちな関係を、フラットにして距離を縮める空気づくりに役立っていると思います。

加瀬:そうですね。新しく入ってきた社員が「バンビさんですよね」って話しかけてくれて、コミュニケーションにつながっているなと感じます。ほんとアバターにしなくてよかったです(笑)。

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 あだ名で呼び合うLIGの社員さんの空気感は若々しく、くだけた雰囲気がありました。まさか本名がわからないくらいあだ名が浸透しているとは驚きでしたが、それゆえ苦労もあるようで、自然に出来上がった文化を維持しようとすると、噛み合わない部分も出てきてしまうものなのかもしれません。

 それでもビジネスネームを大事にしているLIGは、ビジネスは効率化がすべてではないというポリシーを感じました。そんなことを思っていると「生産性のジレンマ」という経営学用語を見つけました。その意味は、生産性の高い工場ほど新たな製品のアイディアは出にくく、反対に生産性の低い工場は新たなアイディアが生まれやすいというものです。

 生産性にとらわれず、遊び心を大事にしているLIGでは、どちらかというと後者に重きを置いているように思います。それを裏付けるように、LIGではWEB制作だけでなく、ゲストハウス運営や飲食店経営、英会話教室や壁画制作など、様々なアイディアをもとにしたビジネスを展開しています。ビジネスネームは、「なんのためにあるの?」で一蹴してはならないものだと感じました。

<取材・文/ツマミ具依>

企画や体験レポートを好むフリーライター。週1で歌舞伎町のバーに在籍。Twitter:@tsumami_gui_

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