「同僚の本名を知らない」 あだ名で呼び合う職場の実態
利点はすぐに打ち解けられること
――意外と苦労も多いんですね。ビジネスネームやあだ名が使われるようになったきっかけは?
若旅:会社ができた当初からある文化ですね。経営陣の2人が幼馴染だったんです。友達関係から派生したような会社なので、ごくごく自然な形であだ名で呼び合うようになったみたいです。意図的につくっているわけじゃないんです。
――制度ではなく文化としてあったものだったんですね。実際のところ、本名以外で呼ばれる環境での仕事ってどんな感じなんですか?
若旅:LIGには「LIGブログ」という社員が書く自社メディアがあって、それぞれ書いた記事にはあだ名が記載されています。普通の名前よりも親しみやすく覚えやすいので、入社した時には「あ! 記事で見た〇〇さんだ!」となりました。
加瀬:クライアントさんと名刺交換するとするとき、「LIGブログではバンビという名でやってます」というと、「なんでそうなったの?」とアイスブレイクになりますね。
あとは、社員同士がすぐ打ち解けられる気がします。部下と上司ってどうしても距離感ができてしまうじゃないですか。でもあだ名だと、“さん付け”さえなくても自然なのでコミュニケーションは円滑になっていると思います。
電話対応や客先では戸惑うことも
伊藤:でも普段あだ名で呼び合っているので、電話対応は困りますね。本名で指名されても誰につなげればいいかすぐにわからなくて。他には、お客さんの前だと少し戸惑います。それまで上司に「ジャックさん」って呼んでいたのに、お客さんの前では突然「うちの山下は」となるので(笑)。
玉城:自分は本名が玉城ですが、あだ名が「たまきさん」という人が別にいるので混乱しました。その方は「たかさき」という本名なんですけど。まったく違う部署にいるのに、あっちのたまきさんに自分のWEBの仕事がいったりしたこともありました。
あと呼びにくいあだ名もあって。「ZIMA(ジーマ)」っていう人がいるんですけど、呼ぶのが恥ずかしくて……。
一同:(笑)。
玉城:それでZIMAと呼びたくなかったので、本名の研一郎からとって「けんちゃん」と呼んでいます。いまとなっては独自のあだ名をつけるとさらに仲良くなった気がします。
伊藤:取材してもらってなんですけど、適当ですね(笑)。