「そもそも映画館ではいじらない」

　そのほかにも「マナーだから」（24歳・岐阜県）といった率直な意見や「盗撮などと誤解されないため」（29歳・東京都）といった“映画泥棒ムービー”の効果を感じさせる意見もありました。

　中には「映画が面白く、いじる必要がなかったから」（28歳・長崎県）という製作者冥利に尽きそうな理由も。

　こうして見てみると、いじらない人からは「そもそも映画館ではスマホをいじらないもの」という前提を強く感じます。「何を当たり前のことを」と感じる人も少なくないと思いますが、先ほども見た通り、どうやらその前提も薄れてきているようで……。

スマホをいじるのは「当たり前」

　スマホを“いじる派”の理由は様々ですが、共通するのは自分の主観しか存在しない点。

　例えば「ひまだから」（28歳・埼玉県）「映画がつまらなかったから」（28歳・大阪府）といった理由からは、「自分がいじりたいからいじる」という、“いじらない派”とは相容れない何かを感じさせます。堂々と「当たりまえ」（23歳・熊本県）と答えた人もいました。

　また、「友達から連絡がきたから」（27歳・岡山県）「彼女からの電話が来て、お客さんも少なかったので電話に出た」（28歳・広島県）といった、他の人からの連絡を理由にする声もありました。

　なかでも現代らしさを感じさせるのは、スマホをいじる理由が「特にない」（27歳・静岡県）「すみません、ないです」（24歳・山梨県）といった声。

　スマホの登場で、手軽に自分の世界に没入できるので、周囲を気にするという発想に至らない若者も増えているのかもしれませんね。

＜TEXT／日和下駄＞

【調査概要】
調査内容：映画上映中のマナー調査
調査期間：2019年12月3日
調査人数：全国の20～29歳の有職者男性100人（インターネット調査）