“隠れビッチ”を演じた佐久間由衣、『ViVi』卒業当時と今の心境の変化
朝ドラ『ひよっこ』で時子を好演し、その後もドラマ『チア☆ダン』、映画『あの日のオルガン』などに出演し、現在は『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』も話題の佐久間由衣さん(24)。
映画初主演を務め、清楚を装いながら戦略的に男をその気にさせる“隠れビッチ”なヒロインを演じる『“隠れビッチ”やってました。』が公開になりました。
イラストレーターのあらいぴろよの実体験に基づくコミックエッセイを、『旅猫リポート』などの三木康一郎監督が映画化した本作。“隠れビッチ”な姿はもちろん、後半、彼女がどうしてそうなったのか、感情をさらけ出していく熱演を見せる佐久間さんに取材。撮影時の思いにはじまり、女優業に専念すると決めた2017年の雑誌「ViVi」専属モデル卒業のときのことも伺いました。
ひろみを演じた一瞬一瞬すべてが青春でした
――なかなかインパクトのあるタイトルです。
佐久間由衣(以下、佐久間):最初にタイトルを聞いたときにはドキドキしました(笑)。どんな内容なんだろうと思いながら脚本を読んだのですが、いわゆる世間的なビッチという感じではなく、メンタル的な部分の大きなお話で、彼女がどうして隠れビッチをやっているのかということが理解できたので、演じさせてもらいたいと思い、出演を決めました。
――ひろみはかなり感情の起伏の激しい役です。演じるのは大変だったのでは? 中盤以降は、かなり不安定ですし。
佐久間:大変でしたが、とにかく楽しかったです。やりがいを感じました。一瞬一瞬を駆け抜けた感じで、すべてのシーンが青春でした。贅沢な時間だったなと思います。
感情をさらけ出すより難しかった演技
――原作者でひろみのモデルでもあるあらいぴろよさんが撮影現場にいらしたそうですね。
佐久間:あまりお話する時間はなかったのですが、「ひろみを演じていて疲れてない?」と心配してくださって、「すごく疲れてます。どんどん削がれていきます」とお話したら、「私もそうだった。すごく不安定だったし、夜も寝られなかった」とおっしゃっていて、「私もそんな感じになりつつあるな」と思いながらも、そうした感覚も楽しんでやっていました。
――削がれていったというのは、“隠れビッチ”をやっていた前半と、感情をむき出しにしていく後半のどちらが、より大変に感じましたか?
佐久間:大変さで言うと、“隠れビッチ”をやっているときのほうが大変でした。
――感情をさらけ出し始めて、ひろみがしんどうそうだった後半よりも?
佐久間:はい。そういったシリアスな部分は、もちろん伝える努力は必要ですが、感情さえあれば、出す作業になるというか。それよりも“隠れビッチ”をやっているときの、ぶりっ子をしなきゃいけないのか、そうじゃないのか。あざといのか、あざとくないように見せるのかといった細かい部分が難しかったです。