ドリンク無料券は「飲み放題メニュー」からしか選べない?飲食店での素朴な疑問を弁護士が解説
カラオケで勝手に自動延長されていたら
――カラオケボックスで、終了10分前に電話すると言ったにもかかわらず、なぜか掛かってこなくて、そのまま自動延長されていたことがあったんですけど、きちんと料金を支払わないといけないのでしょうか?
後藤:自動延長であることを事前に説明された場合は、当然延長料金は払う必要があります。また自動延長であることを事前に説明されなかった場合でも、客はわかっててor普通気づくことができるのに、部屋でカラオケをし続けたといえるので、店が客に対し、料金相当額の金銭を請求できます。
そして店側が「10分前に電話する」と言ったにもかかわらず、連絡がなかった場合は、確かに店側にも延長告知義務が認められ、その不履行が認められるといえます。が、客側も利用時間を決めて入店している以上、自らが時間管理して利用する必要があるので、料金は支払う必要があります。
法律上の契約というものは、当事者間が公平の立場で締結されるものであり、民法には、契約当事者が互いに「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない」と定められています。つまり法的な意味でも“お客様は神様”ではないということです。
<取材・文/蒲須坂正男>