正社員なのに風俗で働く23歳女性。「24歳で死にたい」とポツリ
手取り15万円、働きがい、ブラック企業、副業解禁、ネットで稼ぐーー。あらゆる情報がTwitterのタイムラインに流れ込んでくる世の中で、20代はどのような思いを胸に日々働いているのか。
今回話を聞いたのは、とある企業の正社員として9~18時で働く一方、性風俗でアルバイトをしているという女性・Sさん。聞き手は、もうダメな人のwebメディア「ダメです.」の管理人で、若者の様々な生きづらさと向き合っているライターの渡良瀬ニュータウン氏。
給料は手取り22万円、なぜ風俗でバイト?
ホワイト企業に勤める新卒のSさん(仮名・23歳)。今は正社員として働く傍ら、週に2回はピンクサロンで働いている。
「『貧困』って2つの種類があると思うんです。1つは身体の都合とかで働けなくて、本当にお金がないっていう貧困。もう1つは自分が幸せに、機嫌よく生きるためのお金が人よりも多く必要で、どんどんお金がなくなっちゃうっていう貧困です」
Sさんの生活は決して貧しくない。しかし“後者の貧困”に陥っているのだという。
「ピンサロで働いて時給は2000円。月に十万円くらいの稼ぎかな。会社のお給料は手取りで22万円くらいあります。大学の同世代のみんなは手取りで18万円という人も多いと聞いているので、もらってるほうだとは思います。残業もないし、職場環境はホワイトですね」
しかし、現在の貯蓄は8万円程度。「旅行とか交際費に使っちゃう。でも最近は頑張って貯金してる」と語る。学生時代は全く貯金をせず、バイトの給料が尽きると両親にお金を無心していたのだという。「甘ったれてたんだよね。ギリギリでいつも生きてる」と、力なく笑った。
ピンサロのほうがやりがいがある
風俗の仕事はツラくはないかと聞くと、「あんまりつらくないね」と返ってきた。
「いまのバイトは割と自分に合ってると思います。結果もすぐ出るし。今月の指名とか人気ランキングがあって、他人と競争している感覚があります。指名料のバックとかちゃんともあるし。自分の接客とかがすぐにお金に反映されるのが、すごい嬉しいです」
毎日の集計で結果がポイント化され、可視化されている。「日々入れ替わるそのランキングがモチベーションになる」という言葉の裏側に、いくら頑張っても自分の努力が見えにくく、昇給もしにくい昼職への不満が少しだけ漏れ出していた。
「あとは、ピンサロは1対1だから、周りを気にしなくていい。いかにフリーのお客さんを本指名にするか。自分との戦いなんだよね」