家電量販店で「9番」と聞こえてきたら要注意?業界のウラ用語
A. メーカーが価格を定めず小売店に委ねられていること
価格を調べようとメーカーのサイトを見たら「オープン価格」と書かれていて値段が分からない……という経験をした人もいるのではないでしょうか?
そもそも価格が決められていないのが「オープン価格」なのです。メーカーが商品を小売店に卸す「卸値」は決められていますが、それをいくらで売るかは小売店次第なのです。もともとは「希望小売価格」が定められていることがほとんどでした。希望小売価格は、メーカーが「この程度の価格での販売を想定している」という価格です。
しかし、家電は需要や性能の新旧などによって価格の相場が変動します。さらに、熾烈な値下げ競争により「希望小売価格20万円のところ10万円に値引き」などのフレーズで安さをアピールすることが多くなりました。
実は、その商品は型が古くなったため10万円が相場だったとしても、まるで大幅に値引きされるような錯覚を消費者に与えてしまいます。この事態を問題視した公正取引委員会から指導が入り、希望小売価を定めないオープン価格が導入されるようになりました。
今でも「メーカー希望小売価格から半額!」という広告を見かけることもありますが、その文句に踊らされず、複数のお店の価格を確認して、相場はいくらなのか? 本当にお得なのか判断することが大切です。
<TEXT/bizSPA!取材班 モデル/吉野七宝実(SPA!DOL)>