『egg』新編集長は21歳中卒ギャル「今年はパラパラを流行らせたい」
――大学に入って就活して会社に入って……という一般的な進路と比べて、ご自身のキャリアはどのように捉えているんですか?
赤荻:そういう人、本当に素晴らしいと思います! 一般的な進路が私には合わなかっただけなのと、『egg』編集長就任という奇跡が起きただけなので。正直、昔は「一生働かねぇ、一生遊んでいく」って思ってたんです(笑)。でも今は大好きな『egg』に関われて本当に毎日が楽しいです。
――とても順風満帆のように聞こえるんですが、これまで挫折したことはなかったんですか?
赤荻:それがマジでないんですよね(笑)! 渋谷イチ、ポジティブだと思うんです、私。それくらいマジで挫けたことがなくて。でもこれって欠点でもあるんです。だからもう2人いる編集部員に支えてもらってます。
私が「大丈夫っしょ!」って思ってることを、慎重に考えたり、「この件どうなってるの」って煽ってくれる人がいるので、良いバランスが取れていると思います。私のポジティブさで知らない間にいろんな問題を乗り越えちゃってることもあるし。
――本当に一度も挫折したことがないんですか!?
赤荻:挫折かぁ……。強いていうなら、大人の事情でやりたいことができなかったときとか。板挟みというか、事情があるからこうしなきゃいけないけど、モデルの気持ち考えたらこうしたい、みたいな。編集長としてお金の面でも『egg』をしっかり運営していかなきゃいけないんで、そういう葛藤はありますね。
――今後の目標は?
赤荻:近い目標だとパラパラ! マジ、今年ほんとに流行らせたいです! ちょうど流行が一周まわって、再流行しそうなんですよ。CMでパラパラを使っていたり、中高生のあいだで流行ってる「Tik Tok」とか「MixChannel」(動画投稿アプリ)とかでも踊りがキてる。
有名なアーティストさんから、パラパラ楽曲へのモデル出演の依頼があったりもします。実はいま、あるレコード会社さんとパラパラ楽曲を作っている最中で、『egg』からも発信していこうとしているところです。
――では、長期的な目標は何かありますか?
赤荻:将来的な話だと、ゆくゆくはアジアに展開していけたらいいなって思っています。ウェブ媒体なんで、昔みたいに渋谷に集合して撮影しなくても、全国の隠れギャルから素材を送ってもらえばいいので誰にでもeggモデルになれるチャンスがある。渋谷だけでなく全国、アジアからギャルカルチャーを盛り上げたいんです。
ギャルがやりたくても周りの目を気にしちゃうコたちに「チャレンジしてもいいんだよ」という精神を広められたら日本が明るくなりそうですよね! ギャルは基本的にハッピーだし。みんなギャルになっちゃえばいいと思う(笑)。
<取材・文・撮影/ツマミ具依>
【赤荻瞳】
1997年、埼玉県生まれ。2014年に休刊したギャル雑誌『egg』を復活させ、編集長を務める。渋谷ギャルを自ら経験し、ギャルカルチャーを渋谷から世界に発信し、ムーブメントを仕掛ける。