上司が泣きながら社員に土下座「私の新卒ブラック企業体験記」
リーマンショックの影響があったかなかったか、とにかく苦しかったという就活を回想するのは、現在3社目の企業で働くサキさん(仮名・女性)。
「当時は、内定もらえる人は春にはもらっている印象だったんですけど、私は夏になっても『無い内定』でした」
希望条件は、とにかく正規雇用であること。もちろん、業界や職種にも希望はありましたが、「お祈りの連続。高望みだったんです」。
就職課の前で偶然目にした「手書きのFAX」
日ごとに、正社員の内定さえもらえるならどこでもいい、という気持ちになっていったそう。
「ただ、スーツを着て、ヒールを履いて……そんなふうに働くイメージは捨てられなかったですね」
夏休み前のある日。大学での講義中にお祈りメールを2通連続で受信し、いよいよ心が折れそうになったサキさん。
「もう就職無理かな」、そんなことを思いながら次の教室に移動する途中、就職課の前を通りかかったときのこと。就活セミナーや説明会のチラシがずらりと並べられた掲示板が目に入ります。
見飽きたそれらをただぼーっと眺めていると、端のほうに手書きのFAXが張られているのに気づきました。
<A印刷、▲▲区(最寄りは●●駅)、正社員若干名募集(営業職)>
あわせて、電話番号と、担当者名が添えてありました。お世辞にも綺麗とは言えない、走り書きのような字でしたが、サキさんはそこに希望を見出したと言います。
「こんな雑な求人の出し方するような会社なら、競争率低いだろうし、もしかしたら受かるかも、って(笑)」