就活生が内定式で知っておくべき注意点。内定辞退はまだ間に合う?
内定承諾書、入社承諾書の注意点は?
内定式のメインは先輩たちとの懇親会ではない。内定式の後に人事部立会いのもと、「内定承諾書と入社承諾書の提出」が求められる。難しい文章が書いてあるが、どこに気をつければよいのだろうか。
「内定承諾書、入社承諾書に関して、まず第一にこれらの書類が発行されているかを確認してください。特に中小企業の場合は、このような書類を発行しないこともあるので、注意が必要です」
承諾書が発行されている場合、川畑氏によれば、特に下記の「明示必須項目があるか確認したほうがよい」とのこと。
・業務内容
・契約期間
・試用期間
・就業場所
・就業時間
・休憩時間
・休日
・時間外労働
・賃金
・加入保険
・募集者の氏名又は名称
「これらは厚生労働省が喚起している、最低限明示しなければならない労働条件です。また、これらが書いてあったとしても、雇用形態が事前に説明を受けている雇用形態と合っているか? 固定残業代を採用している企業の場合は『超過した際に残業代が支給される』と明記されているか? 裁量労働制の場合も、それがちゃんと明示しているかどうか? を個別にチェックしておくことをお勧めします」
内定承諾書は持ち帰りOKか?
とはいえ、その場で細かく読み込むのは、専門知識がないとハードルも高いだろう。
「もし気になるところがあれば、内定承諾書は持ち帰ることも可能です。その場合、内容を確認してから提出したいと伝えて、持ち帰ってください。また、内々定が出た時点で雇用条件が提示されることもあるため、その時点で内容を確認し、正式な内定条件が提示される前に疑問点は確認しておくとよいでしょう」
内定式後に、辞退できるのか?
内定式、懇親会にも参加したものの、別の企業から内々定が出てしまった。「本当に入社するかどうか悩んでいる……」とき、どうすればいいのだろうか。
「結論から申し上げると、内定を辞退することは、入社までであれば可能。入社したとしても、即日退職もできるので、内定辞退においても特に禁止事項というものはない。ただ、内定を辞退することを決めたのであれば、すぐに企業には連絡してあげるようにしましょう。内定辞退分も考慮して採用は行っているが、それでも入社必要人数に足りていない場合、企業は追加で採用活動を行うためです」
内定辞退するのはまだ間に合うが、最低限の社会人のルールは把握しておいたほうがよい。
<TEXT/bizSPA!取材班>
【川畑翔太郎】
1986年生まれ。株式会社UZUZ専務取締役。九州大学卒業後、住宅設備メーカーに就職。高校の同級生の誘いで、UZUZ立ち上げに参画。現在はキャリアカウンセラーだけでなく、ウズウズカレッジ運営や企業ブランディングを担当。著書『社会に出たいとウズウズしている君に贈る「就活ひきこもり」から脱出する本』(実務教育出版)発売中